プロローグ
プロローグ
意識が浮上するのと同時に、体中の痛みも感じた。
目を閉じていても、あの独特の土と草の匂いだけはすぐにわかる。
そこで、自分の体が地面に横たわっているのだと理解した。
マリオンがゆっくりと目を開くと、案の定間近の草が目に入った。
雨が降った後なのか、少し湿り気のある地面を不快に思って体を動かそうとしたが、如何せん思うように動かない。
「痛い… 」と呟きながら未だ力の入らない体を動かすのを諦めてみる。
どうしようもないのでぼんやりしていると、空の青さが目に染みた。
いい天気だなぁ…なんてひとりごちると、痛みに顔を顰めながら右手で目を庇い、大きくため息をついた。
「…………いい天気? 」
ふと、先程の独り言を疑問に感じた。
何故そう思ったのかわからない。けれど違和感だけは拭えなかった。
それを知るためにも体を起こす必要があるとマリオンは思った。
「……よし! ちょっと頑張って体を起こしてみよう 」
右手を顔から離すと、肘を支えにゆっくりと体を起こしてみる。
背中に痛みを感じつつ、なんとか上半身を起こすことに成功したマリオンは周りをみて唖然とした。
「…………えーと。ここはどこ? 」
目の前に広がる景色にまったく見覚えがない。
先程まで自分は親友と一緒にいたはず。
マリオンは呆然としながらも叫んだ。
「一体ここはどこなのよ――――――!!! 」
マリオンの目の前に広がっていたのは、知らない森と、少し離れたところにある見覚えのない村の入り口だった。
短めですがこんな感じで続いていくと思われます
3/18 文章訂正済