ローザの依頼
16話目です。冬休みはとうの昔に終わりを告げました。これから通常運転に戻ります。気長にお待ちください。
「えーっと…依頼…っていうのは…?」
前回のあらすじ
・ローザ=エクストと名乗る少女が現れた!
・ローザは熱弁をふるった!しかし悠翔に受け流されてしまった!
・ローザは依頼を仕掛けてきた!←いまここ
…以上!
「簡単に言えば私とパーティを組んでほしいのです。」
「へ…?」
パーティ。冒険者の行動単位の一つで通常3~8人程度で組まれるもの。確かにパーティを組めば動き易くなるけど…依頼をして組むような物じゃ無い筈だ。
「…なんでまた『依頼』という形で?」
「私の父は商売をしています。『エクスト商会』というんですけど…ご存知ですか?」
「いや、まったく。」
「ですよね。一応このあたりでも特に大きい商会なんです。」
成程商会の子だったのか。大きな商会になるとその功績次第で姓を与えられたりするんだ。
「それで…君みたいな商人の子がなんで冒険者になろうと思ったの?」
「一つはカガリさんに憧れてってことです。それともう一つが…
…私には会った事も無い、冒険者をしている兄がいるそうです。その兄を探したいんです。」
「それは…」
勇者君。そういう個人の立ち入った話には首を突っ込まないのがマナーだ。
「っ!…すみません。なんでもないです…。」
「いえ、いいんです。それでですね、そう言って私も冒険者になりたいと言ったら、父に猛反対されまして…。それで何とか説得したんですけど…」
「何か条件を付けられた…と?」
「そうです。具体的には『ピンチになった時にお前を死んでも守る仲間をパーティに入れろ』と。」
「死んでも!?」
「はい。そんな状況になっても死なないだけの実力を持つ方はまともに話なんか聞いてくれませんし、かといって低ランクの冒険者の方だと『そんな条件飲めるか!!ふざけるな!!』とおっしゃられるのです。まあ、私もそう思いますけどね。」
「確かにその条件を飲んでまでとなると厳しいですよね…。」
「はい。だから『依頼』という形になってしまうのです。どうでしょうか。私の依頼を…受けていただけないでしょうか?」
「少し…考えさせてもらっていいかな?」
「はい。」
勇者君。迷ってるの?
〔ああ。だからお前と相談して決めようと思ってな。〕
僕は別に受けても構わないと思うけどな。
〔気軽に言ってくれるよ。こっちは命がかかって…〕
だからこそだよ。
〔は…?〕
冒険者なんてのは皆命懸けなんだ。その中でパーティと言うのは仲間と組む事で少しでも生存率を上げようとして生まれた物だと、僕は思ってる。
〔……〕
勇者君。君は冒険者になって色んな人とパーティを組む事になると思う。時には利害関係の一致から、時にはこうして依頼として。その理由は其々だけどね、冒険者としてパーティを組んだ以上は、その人は仲間なんだ。仲間を守らないで如何するのさ。
〔っ!〕
同じパーティの仲間を死んでも守ろうとすることなんて、僕は依頼で頼むまでもなく当然の事だと思うよ?
〔それも…そうか〕
問題はその相手に背中を預けても良いかどうかだ。僕個人の見解としては彼女真面目そうだし、実力はともかく信頼はできると思う。実力なんて君なんかゼロに等しいんだし、これから互いに伸ばしてけば良いでしょ?彼女だってそのつもりで君に声かけたんだろうし。
〔…そうか。〕
で、どうする?
〔…俺も信頼はできると思う。信頼してもらおうとしてる人じゃ無けりゃあんなにペラペラと自分の事なんて話せないと思うから。〕
オッケー!じゃ、決まりだね!
〔今日は水差してこないじゃないか。どうかしたのか?〕
あのね、
いい加減野郎一人旅をする図なんて見飽きたんだよぅ!
〔お前の都合かよ…〕
「はぁ…。よし!決めた!」
ほらほらとっとと話つけて来ちゃいな!
「あの…それで…私の依頼、受けてもらえますか?」
「うん。受けるよ。その依頼。」
「そうですか…やっぱり断られちゃいm………はい?」
「いや、だから受けるって…」
「ほんとですか!?!?!?!」
「うん。これからよろしく。」
「はい!!!よろしくお願いします!!!!」
「いててて!痛い痛いって!そんなに手ぇ振り回さないで!?」
かくして勇者君の初めての仲間ができたのでした~
めでたしめでたし~
「って誰かいるんですか!?!?」
「手が痛い…で、誰かいるの?」
誰かいるの?
「いやあなたですよ!!」
ファッ!?
「ええと…これなんてデジャビュ?」
地の文「あるれぇ~?」
ローザ「誰!?何!?誰!?」
悠翔「なんて説明したらいいものか…。」
4/6 『・』を『…』に置き変えました。
4/26 会話文同士の間を1行、会話文と地の文の間を2行開けました。




