町に入…れない?
7話目です。勇者君以来、本作2人目となる人間の登場人物です!登場人物が増えるたびに人物紹介を更新していきます。よろしかったらどうぞ。
はい!門の前まで来ました!お約束というかなんというか、ゴツいおっさんがいますね!
「お約束…なのか?」
「ん?約束?何のことだ?」
「あ、いやなんでもないっす。」
やっぱり勇者君以外には聞こえないんだね。なんというか、僕のアイデンティティをようやく取り戻したような気すらするよ!
「それでお前はこの町に入るんだよな?」
「あ、はい。」
…なんだろうこのむなしい感じ…勇者君の反応がないのが寂しい…
「じゃあ身分証を見せてくれ。」
「え、身分証…ですか?」
「おう。なんかしらあるだろう?ギルドカードでも何でもいい。」
「ええっと…」
ギルドカード。自分がこのギルドに所属していることを示すものだな。ギルドにもいくつか種類があって、冒険者、商業、果ては農業なんてのもある。ま、労働者組合みたいなものだね。ギルドカードにはその人物の身元をギルドが保証するという意味もあるから、こういうときにも使われるんだよね。
「…それって…無きゃマズいですか?」
「そらそうだ。身元の分からん人間を町に入れるわけにはいかんしな。」
「…デスヨネー。」
「どうした?まさか何もないのか?」
「…ハイ。ナンモナイデス。」
そこは嘘でもなんでも吐いとくべきじゃないの?
「そうか、参ったなぁ。となると街に入れるわけにはなぁ、にいちゃん。ずいぶんと長旅してきたみたいだが…」
「そこを何とかなりませんか!?お願いします!」
「とは言ってもこの町の規則なんだ。すまないね。」
「そんなぁ…」
ありゃまあ~これは詰んだんじゃない?
「…だが他に方法が無いというわけでもない。」
「っ!ほんとうですか!?」
「ああ、だが少し難しいぞ?」
「もうこの際町に入れるなら何でもいいです!教えてください!」
「身元のはっきりした人物に保証してもらうんだ。だが遠くから来たお前さんにはちと難しいんじゃないのか?」
「町に入れなきゃどうしようもないですから。帰る当てもないですし。誰かしら来るのを待ちますよ。」
「…そうか、お前さんにもいろいろあるんだな…」
「いえ、別にいいんです。」
こうして、勇者君はおっさんに少しの誤解を与えたのだった。当てがないも糞も、ここがどこで帰る場所がどっちなのかわからないだけだけどね。
「あ、おじさん。今から言うのは独り言なんで、気にしないでください。」
「ん?わかったが…俺はまだおっさんってほどの年でもないぞ。」
「スゥーハァースゥー」
「うるっさいっっ!!!」
おっさん「何がうるさかったんだ?」
悠翔「いやまあ…ハハハ。」
4/6 『・』を『…』に置き変えました
4/26 会話文同士の間を1行、会話文と地の文の間を2行開けました。




