第三話 「新キャラ登場!!どうやったら、あんな料理が…。」
あの後、特に戦闘とか起こらず無事にミアネスの町に到着した。
「ふぅ、やっと着いたよ」
「着いたのは良いとして、これからどうするんだ?」
「とりあえず、宿屋に行こうよ。まだ色々と説明してないこともあるし」
「わかったよ。で、宿屋はどこにあるんだ?」
「大通りの方だよ。看板もあるし、すぐに見つかると思うよ」
とりあえず僕らは宿屋に向かうことになった。レミアの言う通り、すぐに見つかった。そして宿屋に入ろうとしたら…。
ドンッ
仮面をかぶった少年にぶつかってしまった。
「あっ、すいません。気付かなくて」
「いや、僕の方こそ悪かった」
「ん?あれ、キミはレイネスだよね。偶然だね♪」
「レミアか。確かにな」
「レミア。この人と知り合いなの?」
レイネスと呼ばれた仮面少年を見ながら聞いた。
「うん。この人はレイネス。わたしと同じ『ギルド』に所属していて、同期の人だよ」
「レイネスだ。どうかお見知り置きを」
「ユキヤ・ワイエルです。こちらこそ」
互いに簡単な挨拶をした。
てっ、大事なこと忘れてた。
「レミアの所属している組織って、ギルドだったんだ」
「あれ?言ってなかったっけ」
「うん、初めて聞いた」
そういうことは最初から教えておいて下さい。
「すまないが僕は急いでいるんだ」
「そうなの?じゃあね~」
「これで失礼する」
レミアは手を振って、僕は軽く会釈して彼と別れた。そして宿の受付に行き、お金を払い(悲しいことにお金は全部レミア持ち。男としてダメだよな。)僕らは案内された部屋でその日はすぐに眠りについた。
次の朝、僕らは早々に起きて朝食をとった。
「はぁ~。お腹いっぱいだよ~」
「ん、そうだ。とりあえず昨日言ってた通り、色々説明してもらいたいんだけど」
「そうだったね。えぇっと、とりあえず『ギルド』ってわかる?」
「うん。まぁ、一応は」
確か、依頼を受けてそれを達成して、報酬を貰う。みたいな感じだったと思う。
「じゃあ話は早いね。わたしの所属しているギルドがこの町にあるんだ。そこでユキヤにもギルドに入ってもらいたいの」
「何故だ?」
「理由は二つあるよ。一つはギルドに入ればユキヤが元の世界に戻るためのアイテムが探しやすくなるんだ」
「何でだ?今のまま旅を続けても良いじゃないか」
「ユキヤはこの世界の身分証明書持ってないでしょ。それだと船とか乗れないよ。ギルドに入れば、それで身分が証明されるしギルド関係者しか入れない場所にだって入れるようになるんだ」
「確かに入った方がこっちにしても好都合だな」
「二つ目は、収入がないと大変だから」
「クッ、イタいところを……」
「というわけで、ユキヤにはギルドに入ってもらいます」
「………わかりました」
「じゃあ早速、登録しに行こ?」
こうして僕はギルドに入ることになった。
ギルド本部
「こちらは、ギルド受付です」
「すいません、このギルドに入りたいんですけど」
かしこまりました。少々お待ち下さい」
受付のお姉さんに話しかけ入りたいというと、一枚の用紙を取り出した。
「では、あちらで記入し終わったら再度こちらに行らして下さい」
ここで僕はあることを疑問に思い、レミアに聞いた。
「なぁこれ、なんて書いてあるんだ?」
その時、レミアの笑顔が固まったのは言うまでもない。しょうがないので、レミアに代わりに書いてもらった。
なんか情けなくなった。あれ?目から汗がでるよ。止まらないよ。
その後、レミアが書き終わったというので受付に行き用紙を出した。
「では、『ユキヤ・ワイエル』様を当ギルドに登録します。よろしいですか?」
「はい。問題ありません」
「『ユキヤ・ワイエル』様を登録しました。早速依頼を受けますか?」
「レミア。どうする?」
「じゃあ何か二人以上で受けられる依頼はないですか~?」
「少々お待ち下さい。………。ありました。当ギルドのメンバー、レイネス様の依頼です」
「レイネスの依頼?内容はどんなのですか?」
「遺跡調査の同行者募集ですね。お受けになられますか?」
「じゃあ受けます」
「かしこまりました。レミア様、ユキヤ様のお二人が依頼を受けることを確認しました。レイネス様は道具屋にいるようなので、詳しくは本人に聞いて下さい」
「わかりました。じゃあ行こっか」
「だな」
それから僕らはレイネスさんのところへ向かった。道具屋に着くと、彼は一人で巨大パフェを食べていた。なんだか彼とは気が合いそうだ、同じ甘党として。
「レイネス、またそれ食べてるの~?」
「ぶっ。げほっ、げほっ」
「大丈夫ですか?レイネスさん。」
レイネスさんはレミアに背後から急に話しかけられ驚いている。
「何故貴様等がここにいる?」
「え?何故って、私たちが受けたからだよ、君の依頼」
「そういうことか。それと貴様」
「は、はい。何だ?」
「『さん』は要らん。呼び捨てで良い」
「あ、あぁ。わかったよ、レイネス。……。レイネスって長いから、レイって呼んじゃダメか?」
「それくらいはかまわん。好きにしろ」
「ねぇねぇ、依頼内容は遺跡調査だけどどこの遺跡の調査をするの?」
「場所はここから徒歩で約二日の『旧ミアネス市街地』だ」
「えっと、確か千年以上前に厄災で滅んだっていわれてるとこだよね」
「その通りだ。僕らは今からそこへ向かう。行くぞ」
僕には全く分からない話をしている二人。どうやら出発のようだ。
町をでてから数時間後、複数の魔物が現れた。この前の狼のような魔物、鳥のような魔物、蛇みたいなのもいるし、巨大な虫の魔物もいる。数は軽く40体を越える。
「行くぞ」
レイのかけ声とともにみんなが攻撃を仕掛けた。
僕はこの前みたいに風属性の魔法を自分にかけて移動力をあげた。そして今回はこの前とは違い、地面を思いっきり蹴って大ジャンプをした。そして上空から魔力を込めた飛ぶ斬撃を無数に繰り出した。これにより地上にいた魔物は、この技を食らい三分の一程度の数まで減らせた。
レイは素早く接近してその剣で確実に倒してるし、適性属性は土属性らしく自分の盾と地面から延びる防壁をうまくあわせて、確実に攻撃を防いでいる。
レミアは後方から両手に構えた双銃で攻撃しつつ、水属性の魔法で魔物をしとめていた。
さほど時間もかからず、今回の戦闘は終了した。そしてそこから更に数時間後、すっかり日も来れ今日はここでキャンプを張ることにした。腹も減ってきていたので食事にしようと思ったら、レミアが作ると言い出した。僕としては特に問題ないと思ってレミアに頼んだら、レイは血相を変えて、自分の分は自分が作るなんて言い出した。思えばこのとき気付かなかったのが、悪夢の始まりだった。
30分後、レミアが出来たというので、行ってみるとそこには、そこにはとても料理とはいえないものが用意されてた。僕はこのときやっと悟った。あぁ、レイはこれを知っていたんだな。だからあんなこと言ってたのか。
後悔すでに遅し。僕はおそるおそるレミアに聞いてみた。
「こ、これは、な、何かな?」
「これは決まってるじゃん。スープパスタだよ」
「へ、へぇ。す、スープパスタなんだ」
いや、これは違う。心の中でそう思った。スープパスタはうねうねしてないし、スープもこんな血のような赤じゃない。たぶんこれは、スープパスタを語った生物兵器か何だろう。きっとそうだ。絶対そうだ。そういい聞かせていると、
「冷めちゃうから、早く食べよ?」
笑顔でそういうから、断ることは出来ない。
「そ、そうだね。う、うん。そうしよっか」
試しにそれを少しフォークで巻き取り持ち上げてみた。持ち上げようとすると、パスタがフォークを引っ張ってきた。そんな事を気にせずに、パスタを引きちぎると、高い声、奇声とも表せない音が聞こえた。それを聞こえない振りをして、僕は覚悟を決めた。
「よ、よし。食べるぞ。………いただきますっ」
そういうが早いか、僕はそれを口の中に入れた。そのとき僕は今までの事を回想していた。あぁ、そうか。これがアレか。走馬燈って奴か。
「さ、最後に、ゆ、雪…菜の料理、が食べ、た…かっ…た……」
そう言って、僕は意識を手放した。