表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/47

第二話 「そんな理由で連れてこられたんだ。それよりも、戦い方と魔法を教えて下さい、レミア先生。」

「異世界ってホントにあったんだ。イヤ、でもコレを含めて夢かもしれないし…」

 レミアの衝撃告白に驚き、取り乱していた。かれこれ20分はブツブツ言って現実逃避している。そこに、

「チョットいい加減に止めない?ソ。」

 と、レミアが上に手をかざすと、氷の固まりが僕の頭上から落ちてきた。

「えっ…、あっぶねぇ。何が起きたんだ?」

 間一髪避けれたけど一体何?。

「魔法を使って、氷を出したんだよ」

「魔法って、マジかよ…。これで、氷にさわって冷たければ現実って事か」

 試しに氷をさわると、

「冷たいってか、手がくっついて離れねぇ」 

 あまりの冷たさに手がくっついてしまったようだ。すると、

「えいっ!」

 と、レミアが氷に手をかざすと、そこから氷が溶け始めた。

「ありがとう、助かったよ」

「エヘヘ、どういたしまして。とりあえずこれでここが異世界だって信じてもらえてかな?」

「ソレは信じるよ。確かに僕のいた世界じゃ魔法なんて存在しなかったからね」

「良かったぁ~。信じてもらえて」

「でも、何で僕をわざわざこの世界につれてきたんだ?」

「それはね、君の力が必要だから、かな?」

「イヤ、かな?ってどういうこと?」 

「とりあえず、簡単に説明すると、私の所属している組織の幹部の人に、強い人捜してこいって言われたの。そこでね、わたしは家に伝わる秘伝のアイテムを使ったの。でねその効果が、『異世界の強者のところに続く光の門を開ける』って効果だったの」

「それで僕のところに通じたから連れてきた、ということになるのか」

「だね♪」

 とりあえず僕の心の中に浮かんだ言葉を、彼女に言おう。

「ごめんなさい、人違いです」

「え?えぇぇ~?」

 驚くのも無理はないと思う。けど普通の高校生に、取り柄なんて読書の速さしかない僕が、強者な訳がないじゃないか。そう思っていると、

「いいよ、なら腕試しをしようよ」

「イヤ、だから僕は…」

「いくよ」

 そう言うなり、レミアはいきなり双銃で攻撃してきた。それをギリギリで回避する。

「まだまだいくよ~」

 と言うと今度は、双銃で五連射してきた。それを木の陰に隠れて交わすと、

「逃げてばかりだね。腰の剣は飾りなの?」

 と言ってきた。言われてみたら、確かに腰に剣があった。

「あぁ、もぅ。ヤケクソだぁ」

 僕は木の陰から出て行き、腰の剣で抜刀と同時にレミアに切りかかった。しかしそれはかわされて、レミアのカウンターをまともに食らった。受け身をとって何とか受けるダメージを軽減したが力の差、経験の差がここで現れた。レミアは受け身の後の隙を逃さなかった。彼女はそのまま僕に素早く接近して、僕の胸に銃口当てこう言った。

「ゴメンね。ホントに人違いだったみたい」

「わかったんなら、出来るだけ早く元の世界に返してほしいんだけど」

 僕は、ようやく帰れると思ってホッとした。次の言葉を聞くまで。

「それもゴメンね。そのアイテムは一度使うとどこかに飛んでっちゃうんだ。だからそれを見つけないと、戻してあげられないんだ。ホントにゴメンね」

「へ?じゃあ僕はどうすればいいんだ?」

「とりあえず着いて来て。安全な町に移動するから。それから、町に着くまでの間、魔法とか戦い方を教えてあげるね。」

「わかった。よろしくお願いします。」

「あっ、それと君の名前目立つから、ここから先は、んーーそうだねぇ…。うん、君はこれからユキヤ・ワイエルって名乗ってね。」

「OK♪ユキヤ・ワイエルだな。じゃあこれからよろしく、レミア。」

「うん、ヨロシクね。ユキヤ♪」

 それから一度森を抜けた。今は平気だが日が沈み始めると、魔物が活発に行動するらしい。というより、やっぱり魔物っているんだ…。

「じゃあ、まずは魔法の基本からやっていこうね。」

「よろしくお願いします。レミア先生。」

「うん。まず、魔法は四属性八系統に分かれるの。四属性ていうのは、火、水、風、土の四つを指しているんだ。それで火と水、風と土ていうふうに対応しているんだよ。」

「成程、火と水は互いに弱点である、みたいな感じか。」 

「その通り。で、八系統ていうのは、四属性を細かく分けると、八種類に分かれるの。火は火と光、水は水と氷、風は風と雷、土は土と闇にね。」

「コレも、四属性みたいに対応するものってあるの?」

「うん、その通り。この場合は、光と闇、氷と雷になるね。」

「成程。よし、理解した。」

「じゃあ、ユキヤの適性属性を見つけよ。」

 その後、色々試したが、どうやら僕の適性属性は風属性の二系統のようだ。それでも、そんなにうまく操れないけど。レミア先生曰く、練習すればどんどん力のコントロールが出来るらしい。何でも、僕の中の魔力は普通の人より多いらしい。

 そんな感じで指導を受けている内に、気付けば三体の狼のような魔物に囲まれた。

「じゃあいきなり実戦だね。わたしは手を出さないから。ユキヤ、頑張ってね。」

 レミアは本当に手を出さないつもりらしい。僕は呼吸を整えてから、風属性の魔法を自分にかけて移動速度を上げて、一気に間合いを詰めて抜刀切りで一体倒した。そのままの勢いで後ろを向き、剣に魔力を込めて斬撃を飛ばした。それは貫通し、二体をまとめて葬った。

「わぁ、スゴいスゴい。いきなりだったのに、わたしと腕試ししたときと動きが全然違ったよ~。こんな短時間で身につけるなんて、やっぱりユキヤには才能があるんだよ。」

「そうなのか?自分じゃよくわからないな。」

「ふ~ん。そうなんだ。あっ、町が見えてきたよ~。」

「おっ本当だ。なぁ、あの町はなんていうんだ?」

「あの町は、ミアネスだよ。村だと村長のラストネームに、町だと領主様のラストネームになるんだよ。」

「そうなのか。」

「それより早くいこうよ~。わたし疲れちゃった。」

「だな。じゃあ急ぐか。」


 

 こうして僕らの旅は、本格的に始まった。

 だが、この時まだ僕は知らなかった。悪夢がこんなにも近くにあるなんて思いすらしなかった。まさか、いきなり命を狙われるなんて……。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ