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ガールズソード 魔王討伐は婚約破棄の後に

掲載日:2026/02/10

 ここは、ドルワル王家の舞踏会場。 紳士、令嬢たちが華麗にダンスという名の花を咲かせる場所。


 しかし、その会場で突然、とある令嬢の怒号が響き渡りました。


 来客たちはその声の主に注視するのでした。


 そこには、険しい顔をした二人の令嬢が、一人の令嬢を咎めているではありませんか。 令嬢たちは続けて、彼女に強くあたります。


 「この犬の飼い主はアンタ? 婚約者だからって、犬をこんな場所に連れて来るなんて理解不能だわ」

 「ドルワル様に縋り付くなんて、身の程を知りなさいよ」

 「そうよアヤティス。 アンタなんて、目に触れるだけでも不敬よ」

 「ガルル」

 「そんな! 酷い⋯⋯」

 「なにが酷いのです。 ドルワル様の婚約者は、このお方⋯⋯ユイベル様に決まっているんです。 突然現れた貴方なんかには務まりませんわ」

 「ふふ、当然よねアカーナ。 なんたって私の後ろ盾には貴方がいるんですもの」

 「ガルル⋯⋯」

 「そんなことないわ。 私とドルワル様は、運命によって導かれているの。 そう、共に魔王を討伐する運命にね⋯⋯」

 「まあ、汚らわしい女。 そうやって媚びて、他の男を虜にしたのかしらね?」

 「ガルル⋯⋯」


 会場の冷たい目が、アヤティスに向けられました。 彼女はただ向けられる嫌悪な視線に耐えることしか、出来ませんでした。


 そんな中現れたのは、渦中の王ドルワル。


 ドルワルは来賓たちを掻き分け、こちらにやって来ました。


 「⋯⋯これは、なんの騒ぎだ」

 「ドルワル様。 こちらのアヤティスが不敬な発言をしたものですから、咎めておりましたの」

 「⋯⋯私はただ、ドルワル様が魔王を討伐する運命だと、申し上げたまでです」

 「ガルル⋯⋯」

 

 アヤティスは控えめに。 しかし、彼の目を見ながら話しました。 


 ーーすると。


 「ははは、傑作だ! アヤティス。 私が魔王を討伐だと」


 その嘲りを込めた笑い声に、彼女は絶望感を覚えた。 


 「くだらぬ、世迷子をほざきおって⋯⋯アヤティス。 お前との婚約を破棄する!」

 「ガルル⋯⋯」


 突き放すように告げられた、宣言に固まるアヤティス。 その発言に一番に声を上げたのは、ユイベルだった。


 「ふふ。 無様ね、アヤティス。 さあ、ドルワル様。 私と一緒に⋯⋯」

 「さあ、行くぞ。 アカーナ」

 「はい。 ドルワル様」


 ドルワルがアカーナの手を引いて、ダンスを踊ろうとする。 


 当然、それを阻止するのはユイベルだった。


 「どういうことですの。 私を婚約者にするのではないのですか?」

 「貴様、不敬だぞ! 衛兵よこの者たちを追放しろ」

 「⋯⋯そんな。 アカーナ! 貴方からもなにか⋯⋯」

 「さっさと、追放してくださいね。 ⋯⋯邪魔な虫が消えて嬉しいわ」

 「ガルル⋯⋯」

 「⋯⋯この負け犬も一緒にね」


 こうして、アヤティスとユイベルは追放されたのだった。


 「なんでよ。 どうして私まで追放されなきゃならないのよ。 こうなったのもアンタのせいだからね、責任をとってよね」

 「ガルル⋯⋯」

 「ユイベル、ここは冷えます。 場所を変えませんか?」

 「はあ? どうしてアンタと、一緒に行動しないといけないのよ。 アンタの辛気臭い面を見ていたら、こっちまで気が滅入るわよ」

 



 

 「魔王様、大変です! 奴らが城に攻めて来ました!」

 「城の守りを固めろ! この城に奴らを入れるな!」


 この城の主ーー魔王は、撃退を部下に任せて酒盛りをしていました。


 「ふう。 人間如きが、この魔王には向かうなんて100年早いわ」

 「あれ? 魔王様、酒盛り中? おかわりいる?」

 「魔王。 討伐します、覚悟!」

 「ヌウ。 貴様なに奴! グハ⋯⋯体が動かぬ。 まさか、この酒に毒が」


 魔王はなにも抵抗が出来ず、そのまま息を引き取りました。


 「⋯⋯呆気なかったわね。 こんな雑魚のために、私たち無駄に時を過ごしたのかしら、アヤティス?」

 「過去は戻らない⋯⋯ 私たちは進むだけよ、ユイベル」

 「はわわ。 これがコトネ様のお力です」

 「ガルル⋯⋯お、体が! 魔王にかけられた呪いが解けてた⋯⋯」

 「貴方様は、英雄ケンタロウ様!」


 こうして、魔王を討伐した彼女たち。 


 城を根城とし、やがて国家を築き世界にこの名を轟かせるのであった。

 

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