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第二章:テレビに紛れた異星のきらめき
宇チューバーの中でも、特に人気となったのが「リュカ」と名乗る存在だった。中性的な容姿と透き通るような声で、テレビのバラエティ番組や音楽番組に“新人アイドル”として登場するようになる。
地球の芸能界に自然に溶け込みながら、リュカたちは地球人の感情の変化を日々観察していた。恋、友情、希望、嫉妬、不安……。さまざまな波動が人々の中で交錯していた。
ある日、ある視聴者――女子高生のミナ――が、リュカの配信を見て涙を流した。「この人の歌を聴くと、なぜか、心が洗われる」。その涙こそが、リュカたちが求めていた“愛の共鳴”。
こうして一人、また一人と、彼らの波動に触れた人々が、少しずつ優しくなり、思いやりを持つようになっていく。