24話
心霊現象は単純ではない。例えば腕や足を損傷(失った患者)がそれを知って、そのかぎりで否認することで起こる幻影肢のように起きている現象を説明出来るわけではない。知らずとも、起きてしまう。しかも予知を当てるかのごとく的中してしまう不可思議で説明しようのない現象は、例えば燃える霊のように、その場に現れるものが消防車のサイレンを聞いたから現れた現象であり、それがたまたま男だと偶然当てただけかもしれないし、少年の霊がたまたまどこかのニュースで知っていたからだとか、自分が仲間に入れずそれが友達の写真に現れ出したとか、考えれば言い表すことも出来ようものだが、それならば他の人にもその人の意識から心霊現象が現れなければ説明がつかない。それとも、それこそ人によって違うと説明して心霊現象はやはりこの世に存在しない心的なものだと強引に結びつけることも出来るかもしれない。心霊スポットで事前に霊の情報があって、それが刷り込まれ、実際その場所でそのような心霊現象があったと錯覚しただけかもしれないし、私が病院で体験した心霊現象も病院と車椅子と看護師のイメージと怖いという心的がイメージをつくり出しただけかもしれない。それは結局、私という意識の中で起きていて、現実にはそのようなものはないと言えるかもしれない。それが知覚、神経などとかに作用し、あたかもあるかのように錯覚する現象かもしれない。そして、そういった知覚から得た情報として認識した私はそれを誤認しているかもしれない。だが、偶然の連発、重なり続けた時、私はそれを疑わずにはいられないし、心的を原因とするには都合の良いこじつけ感が私には否めなかった。素直に言えば私は心霊現象を信じていて、本当に実在すると思っている。
気づいたら外が涼しいと感じるようになったが、よくよく考えればもう秋だった。
今年の夏は異様に肝が冷えることばかりだったが、それでも異常気象の暑さが消えるわけではなかった。
衣替えを始め、服を何着か買い、部屋の扇風機をしまって、布団も掛け布団を1枚増やした。
そうしてその日の夜、布団に入り横になると突然金縛りが走った。
「え?」
体が全く動かない。それどころか徐々に体が軽くなるような感覚が起こった。それまで自分の体重を意識なんてしたことはなかった。徐々に軽くなっていくと共に、自分が浮かんでいる感覚になった。
いや、実際自分は浮かんでいた。それは自分の部屋の天井が徐々に近づいていったからだ。
ようやく金縛りが解けると、私は宇宙の無重力を体験するように空中を泳ぐように体をひねり足や手をばたつかせてその場で半回転した。そうして体が下を向くと、そこにもう一人の自分がベッドの横にいた。
「嘘でしょ……」
これはいわゆる幽体離脱。私は今年何度目になるのか、また心霊現象におそわれた。




