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星の花束に、アメジストの心をこめて

作者: 逢乃 雫

はるか銀嶺の


空の彼方へと広がる



淡い雲色は


映る瞳に白菫(しろすみれ)のように



冬の朝焼けが


稜線に色をつけながら



染まりゆく丘は


アメジストの煌めき



凍てつく頬に


春の風を待ちながら




木芽月(このめづき)の小枝に


一つ、またひとつ



ふくらみゆく


風待草(かぜまちぐさ)のつぼみは



春へと続く


道をほのかに彩りながら



やわらかに咲く


ラナンキュラスの花は



ひたむきさの


意味を花びらに宿して




移りゆく日々に


星の花束を



冬三日月が


やさしく照らし出す



南の夜空に輝く


冬のダイヤモンド



あたたかな光の


カペラとアルデバラン


そしてポルックス



空と海のしずくのような


プロキオンとリゲル



シリウスは


ひときわ(そら)に青く



紅きベテルギウスを


囲む色とりどりの



六つの星がおりなす


光は花束のように




こころからこころへ


星の花束を



星も花びらも


一つとして


同じものはないように



こころもまた


人の数だけあって



星が描き出す


光は六花(りっか)のように



それぞれの


こころと瞳の中へ


やさしく舞いおりて




移りゆく日々の


ふとした瞬間に



誰かのやさしさを


心がもつあたたかさを


言の葉のぬくもりを


感じる瞬間



星の花びらのような


瞬間の一つひとつを



花束を紡ぐように


大切にできたら




やがて朝焼けが


染めゆく丘は



アメジストのように


煌めいて



ひたむきさとは


心の道に咲く


ラナンキュラスのように



風待草のつぼみが


春へと道を彩りながら



星の花束に、


アメジストの心をこめて

















アメジスト(アメシスト、紫水晶)は、2月の誕生石で、石言葉は「誠実」「心の平和」です。「木芽月このめづき」は2月、梅は「風待草かぜまちぐさ」とも呼ばれます。


2月の南の夜空には、オリオン座のベテルギウスの周りにある6つの明るい星がおりなす「冬のダイヤモンド」があります。「六花りっか」は、雪の結晶を表す言葉です。


ラナンキュラスは、2月頃からふんわりとした花が咲き、「優しい心」や「光輝」「希望」のほか、諸説ありますが、幾重もの花びらを努力に見立て、「合格」の花言葉もあります。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
凄いです(*´ω`*) 様々な花達と星達の共演を美しいお言葉で表す事が出来る語彙力! 尊敬いたしますm(_ _)m
まだまだ寒いですが(なんならどんどん寒くなっているような気がしますが……汗)、不思議と春の輪郭を感じるような詩ですね。 凍てついて澄んだ空気の中に、梅やラナンキュラスが凛と立って、ひたむきに静かに春を…
皆様も仰っておりますが、冬のダイヤモンドが花束だと見立てているところがやはり素敵だな思いました。 また、合格の意味を持ち合わせるラナンキュラスが現れることで受験生への応援になっているところも素敵でした…
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