プロローグ2
ホンットに不定期です。
「…ハッ⁉︎い、痛っつつ! 」
「お姉ちゃん!目が覚めたんだね!」
「ガッ⁉︎」
深い深い穴の底。そこで姉は目覚めた。妹からの熱烈なハグを受けて。
「い、痛い痛い!ちょっと、離れなさいよ!」
「ヤダ!私の忠告を無視して、更には私に要らぬ心配をかけた罰なの!」
「罰って…アーはいはい。泣かないの。せっかくの美人さんなのにだい……キャー!」
側から見ればなんとも微笑ましい場面だ。
「やっと目が覚めたか」
そこに色白な全裸の少年がいなければだが。髪は白銀で瞳が蒼く瞳孔が縦に割れている。
「なっ、何なのよアンタ!ぜ、ぜぜ、全裸!でな、なにをしているの!っ!まさかここで襲われる⁉︎ガッ!」
「誰が君を襲うんだ、アホ!」
姉の頭に拳骨を落とし、絵に描いたようようなコブができる。
「そうだよ!この人は私たちを助けてくれたのよ!お礼をするどころか性犯罪者に仕立て上げるなんてお姉ちゃんサイテーよ!」
「いや、手ぇ出してないからね⁉︎」
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そんなワチャワチャ騒ぎを経て。
「そ、その、勘違いして申し訳ありませんでした。そして妹ともども助けていただき感謝いたします」
「ん、いや良いって。困った時はお互い様ってね。っていうか、さっきと口調が違くない?そんな固くなくていいよ」
少年は朗らかに笑う。
「いえ!貴方はきっと何処かの国の貴族様であらせられましょう。礼を欠くことはできません」
全裸をなんとかしろ、と言われたので少年は今、如何にも高級そうな純白のローブを羽織っていた。
「いや、僕貴族じゃないからね。いや、確かに人々からは敬われていたけど」
「周りから敬われているのに貴族ではない?いったいどういうこと、お姉ちゃん?もしかして王様なの?」
今の時代は王侯貴族しか敬われないのだろうか?ならば
「…君たちに話しておくべきことがあるんだけど…」
「何でしょうか」
「今から僕の本当の姿を見せるから、どうか驚かないでほしいんだ」
「本当の姿?いえ、分かりました」
そうして少年は2人から距離を取る。そして少年が眩い光に包まれた。
「「まっ、眩しい!」」
しばらくして光が落ち着き視界が戻ってくると
『これが僕の本当の姿だ』
白銀に輝く巨大な竜が顕れた。これが竜と少女たちの邂逅であった。
白銀に輝く竜。美しいですね