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異能師  作者: 凡太郎
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第一話 変死事件


記録 -- 2023年 5月13日


買い物中と思われる母(30歳)と娘(5歳)の遺体を駅付近のショッピングモールで発見。遺体は脇腹を境に分裂しており、頭が噛みちぎられたような消え方をしていた。解剖部は『異人』による被害だと断定。捜査を異能連合付属特殊訓練所一年、有馬透に任命。



「なー(のぞみ)、このニュース見たか?」


そう言ってネットニュースをクラスメイトである友人に見せられた。


「上下分裂怪死事件・・・・・・?」

「そうそう。しかも事件現場は近くのスーパーらしいぜ」


その事件の内容は、近くのスーパーマーケット付近にある小さな道で親子の変死体が発見されたというもの。その変死体は身体が上下で分裂しており、頭も噛みちぎられたようになっていた、と。警察は不審死として扱っているらしい。


「まじかよ。グロすぎるだろ」

「それなあ。この手の事件最近多いよな。気をつけて帰れよー」


部活やら委員会やらに所属していない俺は、そのまま一人で家に直帰するのがほとんど。


「おう、じゃあな。部活がんば」


友人に別れの挨拶を告げて教室を出る。

うちの高校は自転車通学が禁止されており、自転車通学の人たちは皆最寄りの駅に自転車を停め通学している。自分もそのひとりだ。


駅の自転車置き場に着いて、自分の自転車を取り出そうとしたときだった。


『じ、じ、じてん、じゃ、、、の、のるの?』


身の毛がよだつどす黒い気配が背後に現れた。


昔から幽霊とか妖怪とかは信じない性質(タチ)だったし、そういうものに恐怖を覚えるものでもなかった。


しかし、()()は違う。


藍色に身を包み子供のような顔が二つくっついている怪物。

首から下は今にも爆発しそうなほどに膨れ上がった身体に取ってつけたような手足がある。

およそ人間と呼べる形をなしていない怪物に恐怖せざる得ない。


「なんなんだよこいつ・・・・・・」


冷や汗が全身のありとあらゆる毛穴から出る。

俺は額から垂れる汗を拭い全速力で逃げようとしたその時、怪物が両手を前にかざし、まるでゴム人間かのように伸ばして俺を捕らえた。


「ッ・・・・・・!!グハッ・・・・・・!」


尋常じゃない力で脇腹を掴まれ激痛が走り、吐血する。

こいつが()()()()()()の犯人か? と先程の友人との会話を思い出す。


刹那。


「『植林(しょくりん)(そう)』」


声とともに二本の太い木の幹が背後から現れ、怪物の頭を貫いた。にょきにょきと寄生虫のように木の幹の先端が怪物の体内を駆け巡っていく。


「『植林・吸』」


木の幹が移動を止め、ドクンドクンと怪物の血を吸い込むように動き始めた。

みるみる怪物の身体はしぼんでいき、やがて頭から灰のようになって消えていった。


「怪我はないか?」


そう言って現れたのは、白く輝く髪をハーフアップに束ね何もかも見透かすような白い眼を持った男だった。





















ご高覧いただきありがとうございました。


面白いと思ったら感想、ブックマーク等々よろしくお願いします。


小説を書くのは初めてで拙い部分が多々あると思いますが、温かい目で見ていただけるとありがたいです。


ゆっくりのんびり書いていくのでよろしくお願いします。

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