5.やはり気になってしまうもの
家族で夕食を終え5人でたわいも無い会話しているとあっという間に夜になり、皆が寝る時間になった。
「レイ!今日もお姉ちゃんと一緒に寝るわよね?」
「今日は1人で寝たい気分だから遠慮しておくよ」
そう言うと姉さんは明らかに落ち込み、面白いほどに固まっていた。
「レイもそういう日もあるものね、カレンお母さんと一緒に寝ましょ」
母さんがそう言うと、姉さんは渋々であるが母さんと共に寝室へと入っていった。
「兄さん、父さんお休み」
兄さんと父さんにそう言った後僕は、寝室に入った。そして、皆が寝室に入り寝静まるのを待った。何故待つのかって?それは、さっきの魔力測定が気になるからだ。先程の結果が気になりもう一度行う事にした。
「やっぱり、さっきの曇って他のガキになるんだよなぁ、もう一度やれば何か変わるかもしれないし」
そう言いつつ、先程の水晶を持ち出し家の外に出て、離れた所で行う事にする。
「よし、もう一度やるか」
そして、水晶に手を触れて目を閉じた。
(そろそろいいかな?)
そう思いつつ、目を開くとありえない事が起きていた。
「っ!」
目を開けるとそこには、全く知らない光景が広がっていた。見渡す限り何も無く、草木も動物達もいないただ、数え切れない程の死体があったのだ。
(どうなってるだ!?ここはどこだ?)
すると、後ろから足音が聞こえてくる。
(誰かいる!でも、こんな場所に誰かいるという事は、俺もこんな風に、、)
考えただけで、体が震える。ここで死ぬのかと、また死ぬのかと。そして、恐る恐る振り返ると、1人の男性が立っていた。その男性はとても傷ついており、見るからに瀕死の様だった。そこで奇妙な感覚に襲われる。僕はこの人を知っている様な、そうでない様な不思議な感覚に襲われた。
(この人は一体?でも、とても懐かし様な)
すると、男性は口を開きどこか懐かしむ様な、悲しそうなそんな風にこう言った、
「後は託すぞ、レイ」
(!?今確かにレイと言ったぞ!?)
しかし、男性は全く僕の事を見ておらず手を仰ぐようにしていた。そして、僕の視界は光に包まれた。
そして、目を開くといつもの光景に戻っていた。
「今のは、一体、、あれ?」
そこで僕は涙を流している事に気づいた。何故泣いているのか分からないが、とても悲しい様な、けどどこか懐かしいそんな気分になった。そして、手元の水晶に変化が起きていた、
「水晶が凍ってる」
水晶が氷固まっていたのだ、そして、この時僕は初めて魔力を感じた。前世では感じなかった、体を通る不思議な感覚力が溢れてくる様なそんな感覚だった。
(ようやく僕も魔法を使えるようになるのか、絶対この力を物にして最強になってやる)
この時僕は、前世からの夢だった転生して最強になる事を心に誓った。