2.ここは一体
ふと目が覚めると、20代程だろうか?綺麗な女性俺の顔を覗き込んでいた。
「見てロイ、こんなに可愛い赤ちゃん見た事ないわ」
すると、そのすぐ隣に近い歳と思われる顔の整った男性がいた。
「あぁ、ミアに似てとても可愛いな」
「ううん、ロイに似てるからよ」
うん、人の目の前でイチャつくのはやめて欲しい。それも、さっき振られた俺の目の前で。そこで俺は自分が刺された事をふと思い出した。
(そういえばあの女性は!?ここは病院なんですか?)
「あぅ!?、あー?」
2人に聞こうとしたが上手く声が出ない事に気づいた。声が出せない!?そんな俺を見て2人が、
「何か喋ろうとしてるのね、ふふ、可愛い」
「お母さんに会えて嬉しいんだろう 」
(お母さん?何を言ってるんだこの人達は、そういえば何でこの女性は俺をこんな簡単に抱っこしているんだ?)
ガチャ、そこでドアの開く音がした。すると、
「「お母さん!お父さん!」」
男の子と女の子が入ってきた。
「可愛いー!ねぇ、この子が私の弟?」
「何を言ってるんだカレン!僕の弟だ!」
男の子と女の子は、なぜか俺を見てとても喜んでいるようだった。そこでようやく気づいた。俺の体が縮んでいる事に。まさか、転生したのか?
「こらこら、2人とも揉めるなこの子は2人の弟だ。お前達2人がこの子を守ってやるだぞ?」
「「うん!」」
「これからよろしね、レイ」
夢に見た異世界転生、前世では特に何もなかった人生、今度こそ最高だったって言える人生にする為に全力で生きる事を俺は心の中で強く誓った。