蓮の花六輪 厄介事の匂い~主人公視点でお送りします~
お待たせしました!第6話です!
あ、待ってない?
と、冗談はここまでにします
ではどうぞ!
俺とシャルがコンビを組んで10日が経った。
途中、依頼の最中にシンクが「バトルしろと」乱入したがシャルがいると言い訳して逃げた。……逃げなきゃいけない気がしたんだ……。……だから俺は悪くない……って誰に言い訳してんだ俺。
まぁ、いいや。依頼を見よう。
そう思ったのでシャルに声をかける。
「じゃあとりあえずぼちぼち依頼みてみるか」
「そうだね」
と、シャルが切り返す。
さてさて、どんな依頼があるのかね。
Dランク依頼
討伐部門
子鬼の討伐
子鬼を10体討伐せよ。
銅貨10枚
彩粘着生物の討伐
灰粘着生物やその他の属性持ちの粘着生物を計10体討伐せよ。
銅貨5枚と鉄貨5枚
…etc.
守護部門
隣街までの護衛
トリキー商会の商隊が隣街まで行くので、護衛をして欲しい。
銅貨15枚(なお、必要経費は出ません)
…etc.
戦争部門
現在依頼なし
とりあえず無難にスライム狩りと銅貨10枚の依頼にするか。ありがたいことに、この手の依頼は常時あるし、コンビで受けても一人当たりこの依頼料が貰える。つまり俺とシャルで受ければ護衛依頼よりも稼げると言うことだ。
「じゃあ討伐のゴブリンとスライムでいいか?」
「うん。それにもうすぐレンカもDランクだもんね」
そう!なにを隠そう俺はもうすぐDランクになるのだ!何故って?そりゃあ登録した日にそれなりに名の通った護衛傭兵をぶっ飛ばしたもんだから初日でEランク。そっから、えっちらおっちら10日間、シャルと一緒に依頼を順当にこなして来たからな!もう一人前と認められたのさ!ハッハッハッ!
「……はぁー」
……なぜ考えていたことがシャルにバレたのだろう。バレてなければこんなリアクションしないだろうし。
「……とりあえずミナリスの所にいこ?受理して貰わないと」
「そうだな」
こうして、俺はシャルに心を見透かされ呆れられた。
「ゴブリンとスライムの同時討伐ですか?」
「はい」
「わかりました。受理します。あ、レンカさんはこの依頼が完了と同時にDランクになります。よろしいですか?」
「わかりました!では行ってきます!」
「いってらしゃいませ」
このスマイルはいくらするのだろう……。うん、俺は何を考えてるんだ。
「あ、レンカ?今日はどっちで行くの?」
「うーん、メイスかな」
「わかった。なら私もそれに合わせた装備持ってくるね」
ギルドから出るとシャルから使う武器のことを聞かれたので答えると、そう返って来た。
「じゃあ門の前で待ち合わせで」
「うん」
一旦別れる俺とシャル。武器を取りに行くためだ。
俺はメイスと変形式魔術機構槍であるパイルダムランスを持っている。ちなみに宿暮らしだから使わない武器はそこに置いとけばいいし、宿から武器盗むバカはいないし、パイルダムランスは俺以外はアスタルーク村の人しか使えない。盗んでも損しかない。第一あれは一般人には重た過ぎるしな。
殲滅戦ならパイルダムランスを使うが今回は倒せる数が制限されてる。ならメイスしかないな。
と、まぁ、最近お馴染みとなった俺の誰に説明してるのかわからない独白をしてるとシャルが後ろから来た。気配を消そうとしてるってことは俺を脅かそうとしてるな。ならば!
「あれ?消えた!」
突然目の前から消えた俺を探すシャル。
「わ!」
「ひゃぁ!」
そして逆に裏に回って脅かす!
これが師匠の言ってたやられたらやり返す。倍返しだ!あれ?師匠じゃなくてアンちゃんだったけ?まぁ、いいや。
ちなみに今のは縮地と言う森神の武装神官が使う技術だ。あの人達は動きが速すぎる上、気配を消すのが上手すぎる。
師匠との修行中、師匠の知り合いという神官から色々教わった。付け焼き刃とは言え色んな技術を使っても勝てない師匠は、改めて化け物じみてると思う。
「脅かさないでよバカ!」
「でもシャルも脅かそうとしてたよね?」
「うっ……それはそれ!これはこれよ!」
「理不尽だ……」
「いいからいくよ!」
こうして、依頼をこなす為、森に向かった俺達であった。
あ、シャルの装備なんだが、動きやすそうな軽装備で、茶色で、足先にナイフが仕込まれたブーツ。短剣が二本とナイフが何本か腰につけている。そしてなんといっても凄いのが魔導機構式小型魔石砲。つまり拳銃が一丁ある。これは使い方が特殊で一丁一丁合う波長の魔力が異なり、それを見つけてから魔石打という要に魔力を込めてから撃つ。射程は達人の弓には遠く及ばないものの威力は達人の弓に匹敵するという。
まぁ、人を選ぶロマン武器だ。
「さぁ、スライム狩りから始めるか!」
無事終わった……と思ってた時期が俺にもありました。でも俺達の目の前に倒れた女の子とそれを狙うレッサーウルフの群。
レッサーウルフはDランクのモンスターで基本的に4~5匹の群で行動している。
厄介事の匂いがするな。
「シャル。牽制しつつあの子を連れて逃げろ!」
「レンカは?」
「あいつらをぶっ飛ばす」
「ダメだよ!レッサーウルフはDランクのモンスターだよ!」
「大丈夫だ!信じてくれ」
頼む。ここは離れてくれ。
「……わかった。絶対戻ってきてね?」
「任せろ」
キュイン!キュイン!
独特の音を響かせ、魔力弾を撃ち、レッサーウルフを牽制するシャル。俺はメイスを使いながら二人に近寄らないように縮地で距離を詰めつつ戦う。
「……レンカ」
「行け!」
振り返りそうになっていたシャルを叱咤して遠ざける俺。
こっから先はシャルにはまだ見せされられない。
「さぁ、久々だが力を貸してくれよ……。〖目覚めよ竜の瞳。その目開く時、かの者滅する力となる〗竜眼 捕喰者!!」
グシャ!
有り得ない音が右腕から聞こえる。
さぁ、久々に暴れるぞ駄竜!!
今回は設定解説はお休みです。
一応シャルの武器については、作中で説明してますのでそちらを読んでもらえればわかるかと思います。
「わからなかった」「あの説明でわかるかボケェ!」と思われた方は感想などにコメントください!
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