蓮の花五輪 コンビ組みます~シャル視点から主人公視点に変わってお送りします~
五話目です!
予定ですがそろそろハーレムタグに仕事してもらいたいです(笑)
問題はもう一人の構想がまとまってないことですね。
近々まとめてもう一人を出したいです。
「え?いいの?」
まさか同意してくれるとは思わなかった……。多分私は気の抜けた顔をしてると思う。だって彼はそんな私を見て困惑してるんだもん。
「あ、あぁ、いいよ」
そういうとちょっと悪い顔をした。もしかして……。
「……ねぇ、もしかして。コンビ組んでくれるのって変な事する気?」
「いや!違うから!」
「本当に?」
「本当本当」
……怪しいけど今は彼に頼るしかない……。
「そう。……それじゃあさっそく申請を──」
「その前に名前くらい教えてよ」
「あ」
私のバカ!なんで最初に名乗らないのよ!
「し、シャル。シャル・エスタリック。シーシャの街の出身よ。よろしくね」
「おう、よろしく。俺はレンカ。レンカ・アスタルークだ。さっきの騒動で知ってると思うけどアスタルーク村の出身だ」
レンカ……。それが彼の名前……。すると彼──レンカは手を出してきた。
「どうした?」
「いや、え?」
「握手。これからコンビ組むんだし、よろしくって事でさ」
「あ、う、うん……」
初めて触った父以外の男の人の手はごつごつしてて、とても力強かった。
多分私は……今後もこの感触を忘れる事はないんだと思う……。
◇◆
「え?いいの?」
まさか同意したらそんな顔されるとは思わなかった……。多分俺は困惑した顔をしてると思う。だって彼女は気の抜けた顔してるしな。
「あ、あぁ、いいよ」
ん?待てよ?コンビ組めば、シンクからにげられんじゃね?
「……ねぇ、もしかして。コンビ組んでくれるのって変な事する気?」
多分俺は悪い顔してたんだろう。彼女はそんな事を言ってきた。
……なんとしても否定せねば!!このまま嫌われたら大変だ!
「いや!違うから!」
「本当に?」
そんな疑われる程悪い顔してたのか俺。
「本当本当」
「そう。……それじゃあさっそく申請を──」
その前に名を名乗って貰うか。いつまでも彼女じゃおかしいし。
読んでる人は前の話で知ってるだろうけど……ってだから俺は何を言ってんだ。やっぱり竜が取り憑いたせいだ。あいつのせいでおかしくなったんだ。
今は黙らせてる竜のせいにして名前を聞く事にした。
「その前に名前くらい教えてよ」
言葉遮っちゃったけどいいかな?
「あ」
あ。って……もしかして本当名乗るの忘れてたの?ドジっ子なのかな。
「し、シャル。シャル・エスタリック。シーシャの街の出身よ。よろしくね」
シャル。可愛い名前だな。シーシャの街と言えば王都から馬で2~3日くらい離れた街だったはず。
「おう、よろしく。俺はレンカ。レンカ・アスタルークだ。さっきの騒動で知ってると思うけどアスタルーク村の出身だ」
と、俺は名乗った後、握手しようと手を差し出す。……右手は竜がいるから左手だ。まぁ、アスタルーク村では初対面の奴には左手で握手、身内に対してするなら右手。というなんか訳のわからないルールがある。
ん?なんか困惑してる?もしかして左手じゃダメだったのか?
「どうした?」
「いや、え?」
そんな困惑すること!?
「握手。これからコンビ組むんだし、よろしくって事でさ」
「あ、う、うん……」
おずおずとした感じで握手してくれた。
俺……左手は洗わない。だって可愛い女の子と握手したから!!
……まぁ、不潔とか思われたくないからちゃんと洗うんだけどさ……。
そんなこんなでコンビを申請するため受付に来た。
(でも申請ってどうするんだろう?)
そんなことを思ってるとミナリスさんがこちらに来た。
「どうしました?」
丁度いいや、ミナリスさんに聞こう。
「ミナリスさん、コンビの申請ってどうすればいいんですか?」
「コンビとは……もしかしてシャルさんと?」
「まぁ、そうですけど」
もしかしてシンクと組むのかと思われたのか?
「そうなのですね。てっきりシンクさんと組まれるのかと」
やっぱりか。
「組むつもりないですよ」
「そうなのですか。……シャルさんはDランクですからね。いくらアスタルーク村出身のレンカさんとはいえまだFランク、新人と変わりないですから」
今更ながらここでランクの説明をしておこう。
守護傭兵となったものはAからFのランク付けがされる。
Fランクは駆け出し。依頼を3回程クリアすればEランクに上がる。駆け出しの依頼だから雑用系が多いのが特徴。しかも、一人で自分よりランクの上の依頼を受けることはできない。
Eランクは新人。一つ上のランクの依頼を受けることができるようになる。まぁ、EとFは自分より上のランクの守護傭兵とコンビを組んだり、團──レギオンを組むことでその組んだ相手と同じランクを受けることになる。
そしてDランクは一人前。シャルは一人前として認められているのだ。そしてDランクになると、レギオンを作ったり、コンビを組めるようになる。EとFは自分が申請する事はできないがDランクの人から誘われればコンビが組めるって訳だ。
「Cランクに上がる為には試験があるから、功績だけじゃなく、色々なものを持たないといけない。私はまだそれが足りてなくてさ。さっきの戦闘を見た限りレンカは優秀そうだったから誘ったのよ」
「なるほどな」
「それにCランクになると危険な依頼が多くなる。同じランクのモンスターであっても人手が多くないと倒せない訳だし……」
そう、Cランクとは中堅でもあり、壁でもある。これを超えなければ有名な守護傭兵になれない。それにCランク以上のモンスターは同じランクであっても、環境や状況によって変わる為、目安として設けられたランクだ。
俺が初めて竜の力を使った時に倒したフォレストウルフは一匹だったからCランクだったが、群れだとBランク、群れのボスがいるとAランクかそれ以上のランクになるモンスターだ。故に一匹のCランクのモンスターに対して、戦うならCランクの守護傭兵を10人を推奨している。
Bランクは一騎当千級、Aランクは対国家兵器級という扱いになる。
「ちなみに、レンカさんの師匠であるロイド様はこの世で二人しかいないSSSランクなんですよね~」
ミナリスさんが何故か嬉しそうな顔してる。なんで?
「もしレンカさんが有名になったらロイド様とお近づきになれるじゃないですか!」
顔に出てたのか。……そんなに力んで近づかなくてもわかってますよ。あの人が人外の中の人外という化け物に肩まで浸かってくつろいでる事くらい……。修行中いくつも地獄見せられましたから……。
「ちなみにSランクは国家殲滅兵器級、SSランクは対大陸兵器級、SSSランクはもはや人外とも言われてるんです!!」
「ミナリスさん。どこ見て言ってるんですか?」
「……なぜかレンカさん以外の別の人にも説明しないといけない気がしまして……」
……最近見えない誰かに話しかける俺としては、ミナリスさんにシンパシーを感じたのは言うまでもない。
「……ではコンビ名を決めてください」
こほんと咳払いをしてミナリスさんはそう聞いてきた。
「……私、一応考えてある」
「へぇ?何?」
「ヴァイアー」
「ヴァイアー?」
……ヴァイアー。森神ヴァイアスから取ったのかな?
「私のお母さんがね、ヴァイアーレギオンってレギオンを組んでて、そのレギオンを復活させたいの」
「……そのヴァイアーってもしかして?」
「ヴァイアスっていう神様から取ったって聞いたことある」
やっぱりか。
「ならそれでいいんじゃない?」
「えぇ、解散したレギオンの名前をあやかるのは別に悪いことじゃないですから構いませんよ」
「じゃあそれで」
「いいの?私が勝手に決めて」
「いいよ。俺の村、アスタルークではヴァイアスを信仰してたし、それにあやかってるなら拒否する理由もないし」
こうして、俺とシャルはコンビを組んだ。
──これがかの有名な、レンカ・リル・アスタルークとシャル・エスタリックが「リル・ヴァイアーレギオン」の誕生させた瞬間である。「コンビ・ヴァイアー」は「リル・ヴァイアーレギオン」の前身として知られている。
「リル・ヴァイアーレギオン」は様々な功績を残し、いくつもの国を救い、伝説となった。
彼らの伝説はシクランの街から始まったのだ──
──「リルの名を持つ者 伝説の守護傭兵團」より抜粋──
今回は設定解説はなしです。
「リル」についてですけど、今後話の中で触れていくので説明しません。
「リル」というものが今後の話に結構深く関わるものなので是非、片隅にでも留めて置いて欲しいです。
あ、登場人物の解説なんかを書きたいと思います。