蓮の花十一輪 師弟対決中編~様々な視点でお送りします~
前回前編後編と言いましたが中編を加えました!
いやぁー書く事多すぎて増えてこうなりました!
後編は絶賛執筆中です。
堅い物を同時にぶつけた音が、辺りに響き渡る。
この音を作り出してるのは二人の男。
一人は当代最強と言われる人外で、森人族。
もう一人はその弟子であり、漆黒の鎧を纏い、大剣のような無骨なメイスを持つ、右手に竜を宿した人族。
熾烈極める戦いは未だ続く。
◆◇
〖ヴィス〗と〖リルバーン〗の戦いを見ている。
〖ヴィス〗が魔法を放っても、それを打ち消して近づいて攻撃する。〖リルバーン〗が近くに行き、あらゆる連続攻撃を仕掛けても、それをいなし、距離を保ったり、逆に離れて魔法放つ。
長老達が見せてくれたかつての対戦の様子と同じくらいすごい。
人魔対戦は24年前に起きた敵対する魔族と人族の戦い。魔族側に付いた黒森人族や獣人族などの種族。そして森人族や土人族などの人族についた種族。様々な種族が戦い、死んで行った戦い。
その時の戦いの再現をしてるみたいに、2人はぶつかり合う。
「いやぁ~……なかなかキツいね」
「……。今の“俺”には制限がある……。早々にケリをつけるぞ」
「では来なさい」
「アスタルーク式棍棒戦術 下の段 極 紅椿枝垂桜」
〖リルバーン〗の攻撃が私の故郷にある枝垂れ桜の幻影を見せる。そして〖ヴィス〗に当たる度に、故郷の椿の花を咲かせる。散る桜の幻影の花びらさえ、攻撃となって〖ヴィス〗に当たる。
……涼しそうな顔してるけどあれは辛いんだろうね。お父さんが言ってた。涼しそうな顔をすればするほどキツいってことの現れだって。
それに、防御しかしてない。
でも……。〖ヴィス〗の防御は堅い。破るのは至難の業。
〖リルバーン〗なら勝てるよね。私は信じてる。
◆◇
ふぅ~。たかが10日でここまで成長するなんてね。
ここまで追い詰められるなんて……。これで3人目だ。
一人はやはりレンカだね。こんなに僕を追い詰めたんだから。
成長とは恐ろしいね。
そしてもう一人は、レン・アスタルーク。僕の親友で、ブラードの相棒。そしてレンカの父親。
まだ小さかったレンカを養う為頑張ってたけど、彼もかつての大戦で受けた傷が響いて、僕にレンカを託して死んでしまった。魔法を身につけても、彼自身や彼の守りたい物をすべて助けるなんて不可能だった。
彼の代わりを務まるとは思わないけどなんとかレンカを成長させたいね。
彼の親友として。そして託された者として。
◆◆
ロイドの反撃を許すことなく、ソードメイスの猛攻は続く。
「アスタルーク式棍棒戦術 下の段 極 蓮乃型一式」
そう唱えたレンカの周りを、発光する無数の光のリングが包む。
「睡蓮茎之根」
そう唱えると、リングは光の球となり、正面と後方に穴があく。それはハニカム構造。その穴から魔力が吸い取られ、ロイドの動きが鈍くなる。
(まさか……魔力をこんなに取られるなんて……)
この技は魔力を集める技。だがレンカが使用したこの技は、ロイドの魔力を動きを鈍らせる程吸い取った。
「アスタルーク式棍棒戦術 下の段 極 蓮乃型二式」
と、レンカは唱えた。
するとレンカの足元の地面が、水面に水滴が落ちたように揺れる。そして蓮の葉が現れた。
ドプン
ロイドの足元が水面に捕らわれた。
(魔力を取られて動きが鈍っているのに、こうも動き辛い技を使われるなんてね。通常なら大丈夫だっただろうけど。……やはりブラードの力がある時にこの技を使われるとイタいね)
そう思いながらもロイドは魔法を唱える。
「第五級魔法 ダウンバースト」
上空から強力な風圧でレンカを押しつぶさんと風が吹く。
ビュゥゥゥ!!
水面と化した地面が、荒波を起こす。
「一蓮托生」
レンカを中心にして無数の蓮の葉が広がる。
その上を歩き出すレンカ。ロイドはそれに倣って蓮の葉の上に飛び乗る。足場が悪い地面に居ても動きが鈍るだけだと考えての行動だった。
しかし、これは間違いである。なぜなら──。
ドバーン!
「ぐあっ!」
蓮の葉が爆発した。また地面に落とされるロイド。爆発のダメージはかなりあるようで、荒い息を吐き出す。
「師匠。まだまだこれからだ」
レンカは、蓮の葉の上を歩き、ロイドに迫る。
レンカが乗る蓮の葉は爆発しない。
(レンカのオリジナルか)
「こいつはあんたを倒す為に作ったものだ」
(やはりね。それに僕を倒す為に作ったとは。恐れいるよ)
レンカは乗れるが、相手は乗れない。そんな蓮の葉が一面に広がる中、レンカはその上を走りながら、ロイドに迫る。
ロイドは上から来るソードメイスの攻撃をメイスで受ける。ダウンバーストの効果は今ひとつのようで動きが鈍らない。
爆発する蓮の葉、重量のある無骨なソードメイスの攻防を交わしながらも、ロイドの体力が減って行く。
「アスタルーク式棍棒戦術 下の段 極 蓮乃型三式」
蓮の葉の中心が光り出す。
「紅花蓮華」
紅い蓮の花が一面に広がる。その花から魔力が迸り、レンカの魔力を上げる。
「第五級魔法 ジ・サイクロン」
魔法を使うロイド。しかし一向に魔法が発動することはなかった。
「あんたが魔力を使えば使う程、俺に魔力が集まる。何もしなくても魔力が集まる。これはそういう技だ」
「厄介だね」
アスタルーク式の偶像と顕現は魔力を使う為、模範でしか戦えない。
「これで倒れてくれ。アスタルーク式棍棒戦術 下の段 極 蓮乃型 四式」
「よ、四式!?」
アスタルーク式は本来3より上がない。
しかしレンカは四式を使った。ロイドの常識にはないものだ。
「極楽浄土」
レンカが光り、一面の蓮の花や葉も光る。
そして──
ドガァァァァァン!!
爆発が起きた。
設定解説
上の段と下の段
アスタルーク式には基本の型の他に、上の段、下の段。そして極があります。
上の段は基本の型を昇華したもので、下の段はその昇華したものをさらに昇華したものになります。
四式
レンカの完全オリジナルの技で、偶像、模範、顕現の三つの要素を全て持ちます。
魔力の消費も激しく、本来使えませんが、人外であるロイドから取った魔力、そしてそれまでの工程で集めた魔力など様々な要因で成せる技なのです。




