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このクソッタレな世界でもう一度  作者: 浮只見 伯智
第零章 終わりであり始まりであり折り返し
1/5

エピローグでありプロローグ


 ああ、なんでこんなことしてんだっけ


 俺は、上から吊るされた縄に手をかけて考える。


 きっかけは………特にない


 ちょうど置いてあった小説が読み終わり、ちょうど見ていたアニメの最終回が終わり、ちょうど惰性で続けていた趣味が飽きたときに、なんとなく思ったのだ


 ―――死ぬか、と


 ただまあ、強いて理由付けするならば、


 小さな悲劇が重なって絡まっていつの間にか解けなくなっていた、ただそれだけのこと


 ちょっとした欠点を弄られたことも、ひきこもりも、両親の死も、大学受験の失敗も、どれも本当に小さくてどこかに転がっているような、悲劇


 この世の中には、そんなありきたりな悲劇に耐えながら生きている連中がごまんといる


 別にそいつらが特別強いというわけではない


 それが普通


 それが当たり前のこと


 そして、多分それは俺にもできること


 でもまあ、なんだろうな


 言うなれば、そう、飽きたのだ


 なんとなく始めたギターのように、親に勧められて通い出したサッカー教室のように、一目惚れから始まった中学生の恋のように


 延々と無意味な生産と消費を繰り返すこのクソッタレな世界で生きることに


 俺は、飽きたのだ


 だから死ぬ


 誰からも認知されることなく、誰の人生に影響を与えることなく、俺はこの無意味な俺の人生を終わらせることにする


 俺は縄で作った輪の中に頭を通した。


 ああ、でも、もしも


 もしも、もう一度チャンスがあるのならば







 ――――――次こそは、うまく生きたいな




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