表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

第2章 :とりあえず、いったんここまで。

 【英国、サセックスへの道中の馬車で話す二人】


 ジョン・H・ワトスン博士:「・・・空気がうまいねぇ。

 狩りができるぞ。

 ・・・釣りだってできる。

 しかも、『サセックスで1番の料理』を味わえるとはね。

 ホームズ!」


 シャーロック・ホームズ:「(寒そうにひざ掛けの毛布をいじくりながら)そのうえ、『レジナルド・マスグレーヴ』がいる・・・。」


 ワトスン:「・・・古くから続いてる家のせがれなんだろう?」


 ホームズ:「(めんどくさそうに)大学の同級生だよ。

 『プライドが高すぎるから』と、友達からは敬遠されていたが・・・ぼくに言わせればそれは、『臆病おくびょうな本質を隠すため』にすぎんねぇ・・・。

 とにかく彼の、『青白くて骨ばった顔』や、『頭の動かし方』を見ると、ぼくは、アーチの付いた灰色の道と、封建時代ほうけんじだいしろの『残骸ざんがい』を思い出す。」


 ワトスン:「フン! そりゃ、ずいぶん手厳しいね・・・なら、なぜ『招待』を受けた・・・?」


 ホームズ:「何も『事件』がなかったし・・・部屋を片付けると、君はしょっちゅう『おどすから』だ。」


 ワトスン:「ハッ! 『しょっちゅう』じゃないだろう。」


 ホームズ:「だから、決心したんだよ。

 このさい、週末を利用して整理しようってね・・・『初期の仕事』を。」


 ワトスン:「初期の仕事・・・?」


 ホームズ:「ああ。君と知り合う前の、初期の仕事ってことだな。」


 ワトスン:「(ホームズの持ってきた金属製の小箱こばこを指さしながら)そのころの記録があるのか?」


 ホームズ:「んー。『ヘマした事件』も、『なかなか面白い事件』もある。

 たとえば・・・『アールトン殺人事件』。」


 (ここで、ワトスンがメモを取り出し、ホームズの文言を書きとめ始めた)


 ホームズ:「ご印象に、『バムベリー事件』。

 『ロシア情勢をめぐる事件』。

 『ヴィゴレッティと悪妻あくさいが引き起こした事件』の記録も、全部ある。

 世にも珍しい、『アルミの松葉杖まつばづえ事件』も。」


 ワトスン:「『アルミの松葉杖まつばづえ事件』・・・?」

 

 ホームズ:「・・・ひどく風変わりな事件だったよ。」


 ワトスン:「はぁ・・・それなら、もっと前に見たかったな。」


 ホームズ:「ふん。・・・そうだろうねぇ。

 君がマスグレーヴと骨董品こっとうひんを見ている間・・・ぼくは、『記録の整理』でもしてるか。」



 ホームズと私(= ワトスン)は、


 イギリス屈指の家柄いえがらを誇る、


 マスグレーヴ家に招かれ・・・


 サセックスにある、その広大な屋敷を訪れた。


 ・・・当主とうしゅの『レジナルド・マスグレーヴ』が、

 

 ホームズのカレッジ時代の、いわば『ご学友がくゆう』ということで、


 この招待となったのである。


 マスグレーヴ家は、


 そのむかし、


 チャールズ二世の『お側近そばちかく』に仕えたという、名門中の名門であるが・・・


 今回の訪問で、私が楽しみにしているのが、


 マスグレーヴ家の執事しつじで、


 『博学はくがくぶり』を知られた、ブラントンに会うことだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ