第39話 表紙依頼
ある日
彡(゜)(゜)「ヒロカツくん………」
彡(゜)(゜)「ワイはこの仕事はやりたくないわ………」
(´・ω・`)………
宮崎さんがやりたくないと口にした仕事は
徳間書店が出版しているアニメージュというアニメ雑誌の表紙の依頼だ
スタジオジブリは徳間書店の傘下会社だから
いかに宮崎駿といえどもお断りすることはできない
それにトトロは原作のない映画だ
だから宣伝、広告という意味でも雑誌に紹介されるのは重要
知らない作品に対してお金を払ってまで観に来てもらうには
なんらかの方法で知ってもらい興味や好奇心を抱いてもらわなければならないからだ
(´・ω・`) .。oO(そんな大事な仕事だけど………)
宮崎さんが嫌がる理由も理解できた
単純にトトロの制作が忙しかったからだ
でも正直に言えば、やってやれないことはなかった
宮崎さんが鉛筆でレイアウト兼用の原画を描けば事足りるし
後は好春さんたちがクリーンナップし、色を塗って仕上げればよい
(´・ω・`) .。oO(じゃあ、なにが問題になったかというと………)
背景を担当していた男鹿さんだ
となりのトトロの見どころは魅力的なキャラクターたちであることは間違いない
でもそれと同じくらい緑を感じる自然な風景の描写も重要だ
ということは、宮崎さんが宣伝用の大変なレイアウトを描いたら
それに負けないぐらいの大変な背景が必要になる
(; ´∀`)カキカキカキ
(´・ω・`) .。oO(宮崎さんは男鹿さんにこれ以上負担がかかることを心配していた)
だから表紙の仕事に消極的だったのだ
だからといって断れる仕事ではない
締め切りは目前だった
(´・ω・`)「宮崎さん提案なのですが………」
(´・ω・`)「すでに上がっている男鹿さんの背景を表紙に使ったらどうですか?」
彡(゜)(゜)「流用か………それで向こうが納得するか………」
(´・ω・`)「本編と見せ方を変えれば描き下ろしの背景も同然と思います」
(´・ω・`)「それにアニメージュの発売日は11月」
(´・ω・`)「4月の映画公開まで半年近くもあるのでなにか大きな影響もでないかと」
結果はというと
カット409の壮大な大クスの木を背景に使用することになった
宮崎さんは、水天宮の社前にある倒れた手水鉢に乗った
小さなメイと一緒にいるトトロを描いた
雑誌の表紙としてはかなり立派な出来具合になったと思う




