第1話 トトロ?
(´・ω・`)「ボクは木原ヒロカツ」
26歳の新人アニメーターだ
いろいろな縁があってボクはスタジオジブリで働いていた
前作“天空の城ラピュタ”では新人として参加し
宮崎駿監督のもと必死の思いで制作に励んだ
そしてなんとか天空の城ラピュタは完成しお役御免となった
それで次はどうしようかなーと残務処理をしていた時だった
彡(゜)(゜)「ヒロカツくん、二人で“トトロ”を始めます」
(´^ω^`)「はい!」
と宮崎さん直々に次の作品に勧誘された
宮崎駿とまた共に働けることを喜んだボクは二つ返事で答えた
だが、時間が経ち冷静になって来るとやはり疑問が浮かぶ
(´・ω・`) .。oO(……トトロってなんだ?)
……二人でってどういうこと?
(´・ω・`) .。oO(宮崎さんに直接は聞きにくいし……)
社長の原さんに聞きに行こう
社長室
(´・ω・`)「社長!」
( •灬•)「おお、ヒロカツくん。次の映画が決まったよ」
(´・ω・`)「どんな映画なんですか?」
( •灬•)「火垂るの墓だ」
(´・ω・`) .。oO(火垂るの墓は直木賞作家の野坂昭如さん著作)
親を亡くした兄妹が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとする作品だ
でも、火垂るの墓にトトロなんて登場人物はいなかったぞ
( •灬•)「監督を務めるのは高畑勲くんだ」
(´・ω・`)「高畑さん……」
(´・ω・`) .。oO(高畑勲さんはジブリが誇る二枚看板の1人)
もう1人はもちろん宮崎駿だ
高畑さんは天空の城ラピュタではプロデューサーを務めていた
そして今回、5年ぶりに監督として采を奮うようだ
(´・ω・`) .。oO(なるほど、高畑さんが監督で火垂るの墓を……)
ということはきっと“トトロ”はジブリの次回作ってことなんだろうな
でも、次回作のために今から宮崎さんと準備を始めるってこと?
え?ボクと宮崎さんは火垂るの墓の制作に加わらないの?
なんだか腑に落ちない……
(´・ω・`)「あのう……なんで宮崎さんとボクを遊ばせたままにするんです?」
( •灬•)「遊ばせる?そんな余裕はスタジオジブリにはないよ」
(´・ω・`)「え?」
( •灬•)「ん?」
(´・ω・`)「だって……宮崎さんが2人でトトロをって……」
( •灬•)「そうだ、高畑くんが火垂るの墓の監督」
( •灬•)「そして、宮崎くんがとなりのトトロの監督だ」
(´・ω・`)「…………え!?」
(。゜ω゜)「まさかの同時制作!!」
( •灬•)「うむ、同時制作、同時上映だ」
(;´・ω・` )「また、そんな無茶な……」
ラピュタ1作を作るだけでもあれほど大変だったのに
それなのにスタジオジブリで同時に2作……
え?どこにそんな時間が?スタッフは?予算は?
( •灬•)「それでだヒロカツくん」
( •灬•)「君をトトロの制作ディスクに任命するから」
(;´・ω・` )「…………は?」
( •灬•)「君をトトロの制作ディスクに任命する」
(;´・ω・` ) .。oO(原さん……経営難のあまり頭がおかしくなったか?)
制作ディスクなんてボクにできるわけないじゃないか
ボクの経験らしい経験といえばラピュタ1作のみ……
まさにド新人、兵隊でいうところの二等兵、会社で言えば新入社員だ
(;´・ω・` ) .。oO(それに対して制作ディスクは……)
一般企業でいうところの管理職にあたる
荷が重いにもほどがある
トトロが完成しなかったらどうするつもりなんだ……
(;´・ω・` )「謹んで辞退させていただきます」
( •灬•)ムッ
(;´・ω・` )「だってジブリでデスクになるには3~4年の経験が必要です」
(;´・ω・` )「ラピュタ1本しかやってないボクに出来るわけないですよ」
( •灬•)「……私が決めたんやない」
(;´・ω・` )「いやいやいや、原さんが決めたのでなければ誰が決めたんですか!?」
( •灬•)「宮さんや、文句があるなら宮さんに言ってきなさい」
(;´・ω・` ) .。oO(宮崎さんが?)
働きすぎてついにおかしくなったかあのオッサン
おっと……愚痴って居ても仕方ない
さっさと撤回させないと




