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74.文化祭㊲

 対戦カード

第一試合 長井隆(茶道部)身長175cm体重kg VS 山口誠(柔道部)身長169cm 体重62㎏ 

第二試合 九条善高(社交ダンス部)身長180cm体重70㎏ VS 坂上信雪(柔道部)身長185cm体重93㎏

第三試合 女子3人組 身長体重秘密 VS 小山春樹(柔道部)身長190cm体重150㎏


マイクを持った白のスラックスに白のワイシャツ、黒の蝶ネクタイをつけた生徒がやってきました。一礼すると、

「では、1年生のきつねくんがレベル1での試合に挑みます。受けて立つのは柔道部山口君。きつねくんは山口くんに勝てるのか?」

どうやら司会の方のようですね。


「2人とも用意はいいですか?・・・ファイト!!」


カン!!ゴングが鳴り試合開始!・・・ドサッ。


カンカンカン!!!

「山口君の勝ち!試合時間10秒、きつねくんは参加賞のテッシュをどうぞ。


「続いても1年生、歌舞伎君の挑戦、受けて立つのは同じクラスの柔道部坂上君。歌舞伎君はきつね君の敵は取れるのか?用意はいいですか?ファイト!!」


カンカンカン!!!

「こちらも秒殺。試合時間8秒です。歌舞伎君も参加賞のテッシュ、持ち帰ってくださいね!2人とも選んだ相手が悪かった。山口君は66㎏以下級で夏の全国大会3位、坂上君は100㎏以下級で夏の全国大会準優勝。レベル1でも勝つのは相当難しい相手!!皆さん勇気ある二人のチャレンジャーに大きな拍手を!」

拍手を受けながら二人が戻ってきました。

「お面をつけていてよかったよ。」

「僕もそう思いました。あとはよろしくお願いします。」

隆くんと九条さんはそう言って観客スペース向かいました。


「よし、ナヲ、佐藤さん準備はいい?」

私と佐藤さんは

「はい!」

と返事をし、気合を入れて勝負に向かいました。

「150㎏の巨体に挑むのはか弱い女子生徒たち。三人がかりで小山君に勝てるのか?準備はいいですか?ファイト!!!」


小山さんは体に一周綱を巻いて私達と綱引きをしています。3人がかりでひっぱてもびくともしません。余裕の表情です。時折、片手で観客に手を振ったりしています。しかし、急に

「おっとっと。」

とわざとらしくしりもちをつきました。

観客は笑っています。


「おめでとうございます。周南堂のどら焼き三箱ゲットです!皆さん彼女たちに拍手を!」


「君たちは強いね。負けた負けた。」

と言って腰をさするしぐさをしています。


私達はどら焼きを受け取りました。

「悔しいですけど、全然相手になってなかったわね。でもすごく楽しかったわ、それに小山さんなんだかくまさんみたいで可愛らしい方ですわ。」

佐藤さんは嬉しそうです。すると隆くんが、

「次はあの親子連れがチャレンジするみたいだな。あのお父さんは結構体格いいぜ。鍛えてるって体だ。レベル2の挑戦か。ちょっと見ていこうぜ。」

と言ったので私達はその試合を見ることにしました。



「81キロ以下級のポープ高田君に挑むのは、とも君のお父さん、ともくんのお父さんは高田君にかてるのか?・・・ファイト!」

カン!


なかなかいい試合のようです。必死にお父さんを応援するとも君がとても可愛らしいです。


カンカンカン!!

「試合時間40秒、高田君の勝ちです!お父さん,参加賞のテイッシュ持って行ってくださいね。」


「続いての挑戦はとも君4歳!相手はお父さんを倒した高田君。しかもレベル3での挑戦!とも君はニコニコによんすけのぬいぐるみを手に入れることができるのか?お父さんの仇をとることはできるのか!・・・ファイト!」

カン!


とも君は一生懸命に綱を引きますが、高田さんはびくともしません。必死に綱を引くとも君はとても可愛らしいです。すると


「うわぁ。」


高田君は円から出ました。

カンカンカン!


「素晴らしい!とも君の勝利です!お父さんの仇をとったとも君にはにょんすけのぬいぐるみをプレゼントします。」


柔道部の綱引きはみんなが楽しめるように色々と気遣っていらっしゃるんですね。

 

私達は信くんにまたねとあいさつをして、お化け屋敷に行きました。

「小南さんは昨日も行ったんですか?では別の場所に行きましょう。」

「別にいいのよ。私以外みんな行っていないんでしょ。今日は、ひとりでお化け屋敷にチャレンジしてみるわ!」


私達は信くんとかえでさん、佐藤さんと九条さん、そして私の組み合わせでお化け屋敷に入ることになりました。






登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

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