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70.文化祭㉝

 私は急いで教室に戻ろうと講堂から渡り廊下で教室がある2号棟向かいました。1年生の教室がある3階の廊下は人だかりができていて、そこを通って1号棟の家庭科室まで行くことは不可能です。私は一旦2階に降りて、2年生の教室の前をいそいで通り、1号棟の階段を使って3回の家庭科室に向かいました。


「遅くなってごめんなさい。大変なことになっているって聞いて急いで戻ったの。」

「急いで戻ったって小南さんこの格好で?」

佐藤さんは唖然としています。

「大丈夫です今すぐメイクを落としますから。」

「先生に状況を伝えてきた、もうすぐ警備員が来るからしばらく待っていろって。」

そういいながら九条さんが戻ってきました。

「小南さん?戻ってこられたの?」

「ええ。武道場に戻らずに着ぐるみは廊下で脱いで友人に預けてきました。今からメイクを落としますから。」

と私が食器用洗剤をもって手洗い場に行こうとすると、

「小南さん。まさか洗剤でメイクを落とす気なんですか?」

「大丈夫ですよ佐藤さん、お化粧は油性でしょ、だから洗剤で洗えばある程度落ちると思うんです。」

「そうじゃなくて、お肌への負担が。」

「心配しないでください。洗剤で顔を洗ったくらいじゃ死にませんから。」


私は手洗い場につくと洗剤で顔を洗いました。思った通りメイクはどんどん取れて両手がねずみ色になりました。私は鏡を見るために顔をあげると、顔もしっかりねずみいろです。鏡越しに私の顔を見た佐藤さんは

「キャー!」

と悲鳴を上げ、その悲鳴を聞いた九条さんと瀬川さんがやって来ました。

「瀬川さんいらっしゃったんですか?」

「演劇組の様子を見に行っていたんだけど武道場前の人だかりはまだ解消されてなかった。ってそんな顔でよく冷静でいられるね。」

「あっそうでした。」

私は急いで顔の洗剤を落としました。まだ残ってますね。私はもう一度洗剤で洗うと、すっかりきれいに取れました。私はハーフパンツからタオルを取り、顔を拭きました。そしてここにいる佐藤さんと九条さん、瀬川さんに

「このままでは、たくさんのお客さんに迷惑が掛かってしまいます。皆さんには教室の前と武道場の前からどいていただきましょう。」

と伝えると、

「俺たちが散々どいてくれって言っても暖簾に腕押しだったぜ。」

と瀬川さんがおっしゃるので、

「どいてくれと言っても熱狂したファンの皆さんは言うことを聞いてはくれません。皆さんこのような作戦はいかがでしょう。」

と説明すると

「いいんじゃないかしら?」

「小南さんは面白いことを考えるね。」

「これならいけそうだぜ。」

と私の作戦にみんなが賛成をしてくれました。


登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

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