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59.文化祭㉒

「あきちゃん、はいこれ。」

私は鬼のお面あきちゃんに渡しました。

「さっき宣伝係の仕事をしている時にお面屋さんを見つけたの。お面を被って文化祭を回っている方たちも結構見かけたから。」

私はひよっとこのお面を被りその上から眼鏡をかけようとしましたがうまくいきません。

「おかしいわね。これが一番幅が狭いと思ったんだけど。」

するとあきちゃんは私の隣で大爆笑をしています。

「ナヲちゃんのお面のセンス~~。ははは~~~。うーー苦しい。」

「鬼のお面は節分にまた使えるでしょ。宣伝係の時、鬼のお面を被った人と、狐のお面を被った人を結構見かけたから目立たないと思って。」

「じゃあ、ひょっとこのお面は?」

「ひょっとこのお面を被っている人はあまり見かけなかったけど、私、眼鏡かけないとよく見えないから。ひょっとこのお面は、ほかのお面と比べて幅が狭かったから。これだったらお面の上から眼鏡をかけれるんじゃないかと思って。・・・でも無理みたい。」

「じゃあ。僕が手を引いてあげる。今日は僕がナヲちゃんの目になってあげるね。」

「ありがとう。でもそれじゃあ、あきちゃんが楽しめないんじゃない?」

するとあきちゃんは首を振り、

「ううん。すっごく楽しい。」

「わかったわ。ちょっと待ってね。」

私は窓ガラスの反射を利用し急いでおさげをほどき、ポケットから折り畳みの櫛を出し、使っていたヘアピンとヘアゴムでお団子を作りました。所要時間40秒。

「どうですか?浴衣は来ていませんが髪型だけでもお祭りっぽくないですか?」

「うん。とってもかわいい。・・・それと、私のためにおしゃれをしてくれてとってもうれしい。」

「せっかくだから、楽しまないと。もったいないです。」

私は眼鏡をハンカチで包み胸ポケットに包んでポケットにしまいました。

「あきちゃん、よろしくお願いします。」

「私の手を離さないでね。」

「わかりました。」

「・・・思ったんだけど。ナヲちゃんはお面いる?」

「せっかく買ったんですもの。被らないと損です。それにお祭り気分も上がります。」

「僕の鬼のお面と変えてあげようか。」

そんなことを話しながら1年A組に向かいました。




登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

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