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58.文化祭㉑

 私はチラシをもって中庭にいる佐藤さんに合流すると、ベンチでかき氷を食べているかえでさんと隆くんを見つけました。

「2人とも、おつかれ〜。」

と言いながら、かえでさんは私たちにいちご味のかき氷を食べさせてくれました。

聞けば、11時には今日の分の土産用のクッキーが売り切れて、お土産販売の人員を調理に回せたことに加え、吹奏楽部のステージ演奏も終わったので、人員に余裕ができ、休憩も充分に取れるようになったみたいです。

「おいおい。お嬢様方、サボってないでしっかり働いてくださいよ。」

と隆くんは私たちに飴玉をくれました。


その後も私と佐藤さんは宣伝活動を頑張り私は再びホットケーキの元へ戻りました。


人員にも余裕ができ、私達は楽しく作業を進めました。

気がつけばもうすぐ2時、そろそろ休憩時間です。


「2時の休みの人。休憩に入って!」


私は予定通りに休みが取れて1号棟に向かいました。



 2時10分約束の時間を過ぎてもあきちゃんは来ません。何かトラブルがあったのかしら。そんなことを考えながら、窓から賑わうグラウンドを眺めていると、


「ナヲちゃん。ごめん。遅くなっちゃって。」

「大丈夫よ。お疲れ様です。」

「これ。うちのクラスのうどん。お昼まだでしょ。一緒に食べよ。」

「ありがとう。」

私たちは理科前から2階と3階の間にある階段の踊り場でうどん食べることにしました。


ずるずる〜。ずずず〜。


静かな校舎にうどんを啜る音が響きます。

「おいしいね。あきちゃん、ありがとう。」

「どういたしまして。これ、僕が出汁をとったんだ。」

「すごいね。あきちゃんはいつでもうどん屋さんになれるね。」

「これ。食べ終わったら、どこに行く?」

「あきちゃんはどこに行きたい?」

「ん〜。うちのクラスのお化け屋敷はどう?結構評判がいいんだ。」 

「じゃあ、お化け屋敷に行きましょう。」

私たちは教室のある2号棟に向かうと、あきちゃんを見つけた女子生徒たちが集まり人だかりができてしまいました。あきちゃんは人気者だからゆっくり文化祭を楽しむのも一苦労ですね。私はあきちゃんにちょっとまっててと、ジェスチャーで合図を送り(伝わったかわかりませんが)急いで校庭に出ました。あった!お面屋さん。さっき宣伝をしている時に見つけたのよね。私はひょっとこのお面と、鬼のお面を買い、先程の場所に戻りました。すると先程より人だかりが大きくなっていて、おめんを渡せそうにはありません。すると、警備員の方々は私に気がつき、先程うどんを食べていた踊り場に連れてきてくれました。しばらくすると警備員の方に連れられてあきちゃんもやってきました。あきちゃんが約束の時間に遅れたのは、人気者だからだったんですね。



登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

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