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55.文化祭⑱

 明日はいよいよ文化祭、私たちは朝からお菓子作りに追われていました。

「プリンとゼリーは1-Cと書いてある箱に入れて冷蔵庫に入れてください。」

「クッキーは乾燥材を入れ忘れないようにね!」

「あと5分でマドレーヌ焼けます!」

私たちはお互いに声を掛け合い連携をとりながら作業をしています。


「おーい!休みを取ってくれよ!もう12時だぞ!」

信くんが家庭科室に来て私たちに声をかけてくれたことで、調理マシーン化した私たちを人間に戻してくれました。私たちは、もう12時?いつの間にかこんなにたくさんのマドレーヌができてる!急におなかが空いてきた!など口々に言いあっていました。

 そして私たちはあと2分で焼けるクッキーオーブンから取り出してから休むということになりました。



「ごめんなさい。先にいただいてます。」

「おつかれ!お先してまーす。ナヲも早く食べな。」

「うん。手を洗ってくるね。」

私は富さんとかえでさんにそう伝え手洗い場に行きました。


手を洗っていると、

「甘い、いい香りがする。ナヲちゃんおいしそう。食べていい?」

耳もとでささやかれ驚いて振り返ると、

「ナヲちゃんお疲れ様。」

「は~。あきちゃんでしたか。びっくりしましたよ。」

「あ。あきちゃんって呼んでくれた。」

あ。しまった。驚いたせいでとっさに出てしまいました。私はあわてて周りを見回すと幸いなことに警備員の方以外は誰もいませんでした。

「今日はナヲちゃんを見かけなかったから、頑張りすぎて体調を崩したんじゃないかって心配していたんだよ。」

「心配をかけてごめんなさい。ずっと家庭科室にこもって明日の準備をしていたんです。じゃあ。午後からも家庭科室で明日の準備をしないといけないので、これで失礼します。」

「ねえ。ナヲちゃん。明日一緒に文化祭まわらない?」

「ごめんなさい。今日はすごく忙しくて、うちのクラスは休憩時間がまだ決まってないんです。それに二日目は劇もあるからいつ休みを取れるかまだわからないんです。あきちゃんは休み時間決まっているの?」

「明日は2時から1時間、二日目はナヲちゃんの劇が見たくて10時から1時間休みをもらった。うちのクラスはうどん屋さんと、お化け屋敷だからお客さんが多くなりそうな12時から2時まで以外は交代制で休みをとれるようにしているんだ。」

「そっか。ごめんなさいね。角様も文化祭楽しんでくださいね!」

「あ。じゃあ、後夜祭のダンスは?」

「私、ダンスの才能全くないんです。だから参加はしないんです。」

「・・・そっか。ごめんね。引き留めて。」

「ううん。じゃあ。角様も文化祭楽しんでくださいね。」


私は教室に戻り、急いで昼食を食べ、午後の作業に戻りました。

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

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