4. お出かけ準備
今日は三条様のお宅におよばれだから念入りに準備いたしましょうね!」
エツ子さんは張り切っています。
「今日は奥様と着物の絵柄を合わせることにしたんです。この南天が黄色に生えて素敵でしょ。そして、髪型はお団子にしてこの南天にの色に合わせて赤い花のつまみ細工のかんざしにしましょうね!」
「エツ子さん気合いはいってますね。」
準備ができて姿見の前でクルリと全身をチェック。みなさん私の容姿に興味おありですよね。だって美人な母とハンサムな父から産まれて、兄もかわいらしくて(10歳の今はかわいいらからハンサムへ移行してきていますが)、父や兄があんなにかわいいかわいいと言っているんですから、クレオパトラか、楊貴妃か、小野小町かと期待されていると思います。
私の顔はお母様に似た二重のぱっちりした目で、肌も色白。お父様に似て面長で、ちょうど良い唇の厚さ。なのになんで、なんで鼻が低いのでしょうか?・・・そう・・・生まれ変わった私の顔は、美男美女の両親の遺伝子を受け継いではいるものの、残念ながら前世の私の幼い頃の顔そのままなんです!
母に妊娠中転んだか、お腹をぶつけたことはないかなど色々と尋ねましたところ、一度だけ席を立とうとした時に食卓のテーブルに軽くぶつけたそうです。私はその話を聞いた時、食卓のテーブルを叩き割ってやろうかと思いました。 あらっ。私ったらはしたない。
そんなこんなで準備が終わり玄関に向かうと、お父様とお兄様がお揃いのスーツ姿で待っていました。
「ナヲ!気合い入ってるな!とっても似合ってる!」
「ありがとう兄さん!兄さんもスーツ似合ってますよ!」
「正次朗は俺に似て男前だし。ナヲはカヨ子さんにに似てかわいいし。あー俺は幸せだ!このまま家族水入らずで、動物園にでも行こうか?」
「それはいいですね!僕も賛成です。」
「2人とも漫才はこのくらいにしてください!!」
そんなやりとりをしていると支度を終えた母が降りてきました。グレーに南天の絵が描いてある訪問着を着て、髪を後ろにまとめています。ため息が出そうなほど美しいです。
「カヨ子さん、本当に綺麗だよ!」
「はいはいありがとうございます。みんな、忘れ物はないですか?」
「ハンカチらちりがみはちゃんと入ってます。」
私はちりめんの巾着袋の中身を確認しました。
「では、いってらっしゃいませ。」
エツ子さんに見送られて家を出ました。
少し歩き広い通りに出ると三条家の紋がついた立派な馬車とメガネをかけたタキシードにコートを着た男性が私達を待っていました。
「お待ち致しておりました。」