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390.3学期

「おはようナヲさん。聞きましたよ。ナヲさんの活躍。帝国を私たちを守ってくれてありがとうございました。でも正直、今ナヲさんの髪色を見て驚いています。ナヲさんは私たちのために傷ついて、髪も真っ白になって。そんなことも知らずに私は浮かれて冬休みを過ごしていました。ごめんなさい。」

新学期を迎え、いつも通りに朝早く登校している私に、いつも通りに朝補習に参加する(朝イチ登校の)相田さんは言いました。

「私こそ何も言わず、知らせずびっくりさせてごめんなさい。」

と私が謝ると、

「ナヲさんが謝ることは何もありません。これ。私が刺繍したんです。今度は剣術大会に出場されるんでしょ。四つ葉のクローバーのハンカチなんですけど。よかったら使ってください。」

「ありがとうございます。大切にします。」

「私、これくらいしか出来なくて。実はお父様にお願いして剣術大会を見に行く予定にしているんです。ナヲさんを応援に行きますね。頑張ってくださいね。」

そう言って相田さんははにこりと微笑んでくれました。朝2人で登校してると、あぁ、日常に戻ってきたんだという実感が湧いてきました。



 教室に着くと相田さんは

「ナヲさんは図書室?」

「ええ。」

「じゃあ、私は補習に行ってきますね。」

「いってらっしゃい!」

「行って参ります。」

私も、数学の準備をして図書館に向かいました。


 私はいつもの席に座り問題集を解き始めました。しばらくすると、

「ナヲ!おかえり!」

「ナヲさんおかえりなさい!」

「ナヲ!無事に帰って来てよかった!」

「ナヲ、おつかれ!」

かえでさんと、とみさんと隆くんと信くんは図書館ということを忘れて大きな声で私に話しかけると、駆け寄りました。

「ナヲ!髪の毛、真っ白!何で?ねぇ?大丈夫なの?」

とかえでさんは私に詰め寄りました。

「そのうち黒くなるって。」

と答えると、富さんが、

「ナヲさん、身体は、大丈夫?怪我はしてませんか?」

「うん。怪我はしたんだけど、もうすっかり治りました。」

と答えると、かえでさんは

「だよね。怪我したよね。平気なフリはしたないよね。」

と真剣に聞くので、

「もう大丈夫です。本当ですよ。入院してちゃんと見てもらってもう大丈夫になりました。」

「わかった。本当に大丈夫なのね。それで!ナヲ。どうなったの?」

「どうって?」

とかえでさんに聞き返すと、今度は富さんが、

「角様とのことです。」

と4人が私の周りを取り囲んで耳を澄ませます。そして隆くんも、

「誰もいないから。で?」

と珍しくぐいぐい来ます。私は

「私の気持ちをきちんと伝えました。角様も私の思いに答えてくださりました。」

と答えると、なぜか信くんが涙を流して

「よかったな。」

と言って続けて、

「今、貴族の中で、ナヲやナヲのお兄さんが活躍して2人が貴族になることを反対している奴もいるらしいから、角様との距離感は気をつけないとな。俺たちも困ったことがあったら協力するからな。いつでも言ってくれ。」

と言いました。

「ありがとうございます。」

と伝え、剣術大会まではあきちゃんとは距離を取ることになったことを伝えました。そして、剣術大会までは剣術の訓練に毎日通うことになったのでしばらく茶道部もお休みすることも伝えました。すると富さんは

「わかった。時間ができたらいつでもお茶を飲みに来てね。」

と言って私を抱きしめました。

後書き

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。現在は特別部隊の隊長代理。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

井沢団長→近衛騎士団元団長・現、特別救援部隊隊員

鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事

北見→特別救援部隊隊員

青木→特別救援部隊隊員

長野→特別救援部隊隊員

山口→特別救援部隊隊員

秋元→特別救援部隊隊員

宮橋→特別救援部隊隊員

石川→特別救援部隊隊員

福本→特別救援部隊隊員

加山→特別救援部隊隊員

多加知→特別救援部隊隊員

佐々木→九州騎士団団員

柳井→九州騎士団団員

江口→九州騎士団団員

東→特別部隊中隊長

南→特別部隊班長

北川→特別部隊班長

西田→特別部隊班長

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