表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

377/411

377.帝都へ①

「まもなく3番線に列車が到着します。白線の内側までおさがりください。」

宮崎駅には私たち家族と井沢団長、青木さん、北見さん、長野さん、山口さん、宮橋さんもいます。長野さんと山口さんと宮橋さんは昨日まで温泉に行っていたそうで、お土産の温泉まんじゅうを先ほどいただきました。

 行きは(宮崎駅から)高千穂までの道のりを幽魔に邪魔されて3時間半かかりましたが、今日は(幽魔に邪魔されることなく)馬車で1時間弱で(高千穂から)宮崎駅に到着しました。幽魔がいなくなったことで移動の時間も短くなり、乗り心地の良い馬車に乗れたので行きのトラックで車酔いをしていた井沢団長と北見さんと長野さんと山口さんと宮橋さんは車酔い(馬車酔い)をせずに宮崎駅に到着することができたそうです。


 到着した列車に乗り込み席に着くと父は

「はい。宮崎名物地鶏弁当とお茶。正次朗は緑茶じゃなくて麦茶だったね。」

と言って弁当とお茶を配ります。そして父は

「じゃあ、いただこうか。」

と言って手を合わせると私たちは

「いただきます。」

を言いました。家族の声が揃いました。母は

「又こうして家族4人そろって食事ができる日が来るなんて。本当に良かった。」

と言って涙を流します。父は母にハンカチを渡すと

「せっかくの地鶏弁当がしょっぱくなっちゃうよ。」

と言って母に微笑みかけます。兄は

「母さん。父さん。心配かけてごめんなさい。俺とナヲはこれからも二人に心配をかけることがあると思うけど絶対に帰って来るから。父さんと母さんのもとに。」

と言うと母は

「はい。わかりました。約束はちゃんと守ってね。」

と言ってご飯を一口食べました。私は前世で子供がいましたから、宮崎に行っている間の両親の気持ちが痛いほどよくわかります。わかりすぎて両親に心配をかけてしまったことの罪悪感でせっかくの地鶏弁当の味が全くしませんでした。

 

 食事が終わると兄と父はお腹いっぱい食べたから眠くなったと言って寝台車両に行きました。私は母と話をしながらあきちゃんのセーターを編んでいます。

「はぁ、やっと右腕部分がついた。次は左腕、帝都に着くまでには完成できそう。」

と私が言うと、母は

「あきちゃん、きっと喜ぶわ。」

「ありがとうございます。」

後書き

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。現在は特別部隊の隊長代理。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

井沢団長→近衛騎士団元団長・現、特別救援部隊隊員

鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事

北見→特別救援部隊隊員

青木→特別救援部隊隊員

長野→特別救援部隊隊員

山口→特別救援部隊隊員

秋元→特別救援部隊隊員

宮橋→特別救援部隊隊員

石川→特別救援部隊隊員

福本→特別救援部隊隊員

加山→特別救援部隊隊員

多加知→特別救援部隊隊員

佐々木→九州騎士団団員

柳井→九州騎士団団員

江口→九州騎士団団員

東→特別部隊中隊長

南→特別部隊班長

北川→特別部隊班長

西田→特別部隊班長

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ