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372.気がついたら⑱

「小南さん。お風呂に行きますよ。」

看護婦さんが呼びに来ました。

「はい。今行きます。」

私は下着の入った袋を持つと

「じゃあ、お風呂に行ってきます。」

「ナヲちゃん。私もついて行かなくていい?」

「大丈夫です。」

と言って看護婦さんと一緒に浴室に向かいました。


 浴室に着くと看護婦さんに浴室の使い方の説明を受けました。

「じゃあ、何かあったらこの赤いボタンを押してください。30分後に迎えに来ます。それより早く上がる時は脱衣室のこのボタン、黄色いのを押してください。それと傷口に貼っているガーゼはここに捨ててください。」

「わかりました。」

それから私は洗顔、洗身、洗髪をしてから浴槽に浸かりました。

「はぁ〜。」

生き返ります。傷口がしみますがとても気持ちいいです。

私は鼻歌を歌いながら久しぶりのお風呂を満喫しました。


 風呂から上がり身体と髪の毛を拭き、寝巻きを着るとトントンとノックの音が聞こえました。

「はい。」

「入っても大丈夫?」

看護婦さんの問いかけに「はい。」と返事をすると(看護婦さんが)入ってきました。

「小南さん。久しぶりのお風呂どうでした?」

「はい。とっても気持ちよかったです。」

「それはよかったわ。一応、血圧測っておきますね。」

と言って血圧を測ると看護婦さんは

「問題なし。着替えも終わってるわね。それじゃ戻りましょ。」

「わかりました。」

私たちは部屋に戻りました。



「ただいま。」

「おかえり。ナヲちゃん。久々のお風呂どうだった?」

「とっても気持ちよかったです。」

すると看護婦さんはあきちゃんに

「光明様、申し訳ありません。傷口の処置をしますから部屋から出ていただけますか?」

「わかりました。」

そう言ってあきちゃんは部屋から出ていくと私は寝巻を脱いで看護婦さんに傷口の処置をしてもらいました。

「もう腕の傷以外ガーゼをつける必要はないわ。傷は治ったけど跡が残ってしまったわね。傷跡が気になるようだったらファンデーションを塗ると少しは目立たなくなると思うわ。」

「そうなんですね。退院したら試してみます。」

処置が終わると看護師さんは

「光明様が待っていらっしゃいますから行きますね。」

「ありがとうございました。」

 看護婦さんが出ていくとあきちゃんが部屋に戻って来ました。あきちゃんはベッドに座っている私の横に座り

「ナヲちゃん。石鹸のいいにおいがする。あ。髪、まだ濡れているよ。」

そう言ってあきちゃんは手拭いを鞄から出し私の髪を拭きます。

「あきちゃんありがとうございます。でも自分でできますから。」

と言って手拭いを受け取って自分で髪の毛を拭いていると、あきちゃんは(髪を拭いている)私の腕を優しくつかみ

「この左手の傷は社の世界で幽魔と戦った傷跡だね。」

と言って手を撫でました。そしてあきちゃんは手は手首、腕と移動し

「この傷は祠で幽魔の棘を受けた時の傷。」

そう言ってあきちゃんは私の腕にある傷を撫でました。あきちゃんの右手は私の寝巻の袖から、左手は裾のあたりから寝巻の中に入ろうとしています。

「ち、ちちちょっと。ストップ!あきちゃん。」

私はあきちゃんの手を掴みました。

「あ。ごめん。石鹸の香りと、髪を拭いているナヲちゃんの色気に負けてつい・・・。あーーー。ごめん。本当にごめんナヲちゃん。嫌な思いをさせて。それに、信頼してくれているナヲちゃんのご両親を裏切るところだった。」

「だ、大丈夫です。私は・・その・・あきちゃんに触れられることは嫌ではありませんし。だから気にしないでください。」

「ありがとう。ナヲちゃんは私に触れられるのは嫌じゃないんだ。よかった。でもごめん。ちょっと頭冷やしてくる。」

そう言ってあきちゃんは私の額にキスをしてから部屋を出て行きました。




後書き

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。現在は特別部隊の隊長代理。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

井沢団長→近衛騎士団元団長・現、特別救援部隊隊員

鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事

北見→特別救援部隊隊員

青木→特別救援部隊隊員

長野→特別救援部隊隊員

山口→特別救援部隊隊員

秋元→特別救援部隊隊員

宮橋→特別救援部隊隊員

石川→特別救援部隊隊員

福本→特別救援部隊隊員

加山→特別救援部隊隊員

多加知→特別救援部隊隊員

佐々木→九州騎士団団員

柳井→九州騎士団団員

江口→九州騎士団団員

東→特別部隊中隊長

南→特別部隊班長

北川→特別部隊班長

西田→特別部隊班長

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