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370.気がついたら⑯

「あきちゃん、おはようございます。」

「ナヲちゃんおはよう。昨夜はよく眠れたみたいだね。」

「ええ。おかげ様で。」

「昨夜は、歯を磨いて話をしていたらナヲちゃん急に船を漕ぎだしてさ。寝ちゃったんだよ。昨日はリハビリを頑張ったから疲れちゃったんだね。」

「そうかもしれません。気がついたら朝でびっくりしました。」

「なをちゃん、今日は言葉がスムーズに出てるね。体の麻痺は?昨日と比べてどう?」

私はベッドサイドに座り、そのまま足踏みをしました。次に首を前後、左右に曲げました。そして立ち上がり腕を回し軽くジャンプしました。

「あきちゃん。すっごく調子がいいです!」

「ちちちょっと。ナヲちゃん。急に飛んだら危ないよ。」

「そうですね。ごめんなさい。動けるようになって嬉しくて。調子に乗ってしまいました。麻痺はもう残っていないみたいです。思うように体も動きますし、おしゃべりも思っていることを口に出すことができるようになりました。おしゃべりができるってすごく幸せなことなんですね。改めてそう思いました。」

「じゃあ、ナヲちゃん今日は私とたくさんおしゃべりをしようね。」

「はい。」

私たちが話をしていると

トントン!

「はい。」

「おはようございます。診察の時間です。」

看護婦さんと先生が部屋に入って来て、あきちゃんは部屋から出て行きました。先生は診察を終えると

「はい。問題ないですね。麻痺もほとんど残っていませんね。お昼から普通食に変えましょう。これから血液を採って、検査数値の異常がなければ明日退院です。検査結果は夕方に出ますから。」

「わかりました。」

「今日は廊下の往復と階段の上り下りを午前と午後に1時間を目安にやってください。途中休みながらでかまいません。」

「わかりました。」

すると看護婦さんが

「先生。お風呂はどうしましょう?」

と尋ねると

「今日から大丈夫だよ。」

と答えます。

「ナヲさん良かったですね。お風呂は10時から12時と3時から4時半まで空いてますよ。お風呂は事前に予約が必要なんですよ。予約しときます?」

「お願いします。」

「使用時間は30分まででお願いしているんです。だから10時から10時半で予約しますね。9時50分頃にお部屋に迎えに行きます。下着だけ用意していてください。寝巻とタオルはこちらで用意しています。」

「わかりました。」

お風呂の説明が終わると、先生と看護婦さんは部屋から出て行きました。



後書き

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。現在は特別部隊の隊長代理。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

井沢団長→近衛騎士団元団長・現、特別救援部隊隊員

鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事

北見→特別救援部隊隊員

青木→特別救援部隊隊員

長野→特別救援部隊隊員

山口→特別救援部隊隊員

秋元→特別救援部隊隊員

宮橋→特別救援部隊隊員

石川→特別救援部隊隊員

福本→特別救援部隊隊員

加山→特別救援部隊隊員

多加知→特別救援部隊隊員

佐々木→九州騎士団団員

柳井→九州騎士団団員

江口→九州騎士団団員

東→特別部隊中隊長

南→特別部隊班長

北川→特別部隊班長

西田→特別部隊班長

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