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361.気がついたら⑧

「とにかく意識が戻ってよかった。俺達これから検査があるからお先に。」 

と言って大川さんは私の頭をなでると、大川さん達は部屋を出て行きました。すると、兄が、

「2人には心配かけたし。祠の浄化で幽魔被害も落ち着いたし、俺、父さんと母さんに宮崎観光をしてほしくて、温泉旅館予約したんだわ。明日と明後日。ナヲの回復を待って家族4人でと思ったけど無理っぽいからさ。父さんは4日から仕事だろ。流石にこれ以上休み取れないっしょ、だから2人で行ってきてよ。この温泉青島の近くなんだ。ナヲはあきちゃんが面倒見てくれるし!俺もいる。心配かけたお詫び。」

と言って母に封筒を渡しました。母は

「え。でも。」

と受け取るのことを躊躇っていると、父が

「正次朗の気持ち、ありがたくいただくよ。」

と言うと母も

「ありがとう。じゃあ遠慮なく。」

と言って嬉しそうに封筒を受け取りました。


 昼前になると、両親と兄は食事をしに一旦旅館に戻りました。そのタイミングで看護婦さんが私の下の処理にいらっしゃったので、あきちゃんも、ちょっと昼食に言ってくると言って部屋を出ました。看護婦さんは手際よく仕事をし、部屋を出ていくと、つい先程まで賑やかだった部屋が急に静かになり寂しい気持ちになりました。・・・ちょっと疲れたな。意識が戻ったばかりで、たくさんお話しをしたからか(喋れませんが)眠たくなり、私は眠ることにしました。

 


 目が覚めるとあきちゃんが新聞を読んでいました。

「おはよう。」

「あああー。」(おはよー。)

「ナヲちゃんやみんなのおかげで幽魔被害が減ったって。農家さん達の喜びの声も載ってるよ。」

「おえんあああ。あああああいああ」(ごめんなさい。眼鏡がないから見えません。)

「ごめん、ごめん。眼鏡しようね。」

と言ってあきちゃんは私の唇にキスをすると、私を仰向けに寝かせてベッドの背もたれを上げました。

「はい。眼鏡。」

新聞には来年の春の農産物の収穫量が昨年の2倍見込まれる。今が旬、林檎農家安堵の声。みかん農家川中さん、「これ以上被害が広がらず安心した。」などの記事が書いてあります。あ・・・。メガネをはめたことで気が付きましたが、あきちゃんの袖から包帯が見えます。あ。幽魔の棘が刺さったんだ。他に怪我は・・・。あきちゃんは隣に立っているので体を動かせない私は確認することもできません。

「あああん、えああ?えあいえうあああ?」(あきちゃん、怪我は?怪我は大丈夫ですか?)

あきちゃんは私達が到着した時、ボロボロで、怪我をしていました、それなのに私があきちゃんを戦いに巻き込んだことで更に傷つけてしまいました。

「大丈夫。そんな顔しないで。私の怪我は大したことないから。私こそごめん。ナヲちゃんにたくさん怪我をさせてしまった。社の世界でも、天照の世界でも、ここでも。私はナヲちゃんに守ってもらってばっかりだ。」

と言ってあきちゃんは私に抱きつき私の唇に口づけをしながら、

「この傷の責任は必ず私が取るから。」

と何度もいいます。

「あーあーあーああ。あああーあ。」(大丈夫です。だから落ち着いて下さい。)

私は何度もあきちゃんに訴えますが、あきちゃんは聞いてくれませんでした。



後書き

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。現在は特別部隊の隊長代理。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

井沢団長→近衛騎士団元団長・現、特別救援部隊隊員

鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事

北見→特別救援部隊隊員

青木→特別救援部隊隊員

長野→特別救援部隊隊員

山口→特別救援部隊隊員

秋元→特別救援部隊隊員

宮橋→特別救援部隊隊員

石川→特別救援部隊隊員

福本→特別救援部隊隊員

加山→特別救援部隊隊員

多加知→特別救援部隊隊員

佐々木→九州騎士団団員

柳井→九州騎士団団員

江口→九州騎士団団員

東→特別部隊中隊長

南→特別部隊班長

北川→特別部隊班長

西田→特別部隊班長


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