340.宮崎に⑩
「今日はこちらの旅館でお泊まりください。」
と言って佐々木さんは引き戸を開けます。すると、おかみさんでしょうか、着物を着た女性が奥からやってきて、長旅お疲れ様でした。さっ、お部屋にご案内します。」
と言って従業員の方を呼びました。私達は部屋に案内されました。私は個室を用意してもらい、男性の方々は、4人部屋が3部屋用意されていました。車酔いがひどい隊士の方々を休ませるために布団を敷いていただき、私と兄と青木さんで、隊士の方々の看病をしました。隊士の方々は途中散々嘔吐をし脱水の恐れもあったので、私は厨房から白湯と砂糖と塩とレモンを分けていただき即席のスポーツドリンクを作り、隊士の方々にくばりました。そして、特に体調の悪い多加知さんと、福本さんには私と兄でスポーツドリンクを匙ですくって少しずつ時間をかけて飲ませました。私達の看病の甲斐もあって9時前にはみんなの体調も戻りました。(この世界の人は車自体に乗ることがあまりないし、その上あれだけ揺れたんですから車酔いするのも無理はないですよね。私と兄は竹男おじさんのオート三輪によく乗せてもらっていて車の揺れには慣れていたので大丈夫だったんですかね。)私達は先にお風呂をいただいて9時半から食事をいただく事になりました。
私がお風呂に向かっていると、懐かしい顔が、
「一ノ瀬くん?」
「ナヲさん?どうしてここに?」
ととても驚いた表情で私を見つめます。
「どうしてって、さっさと幽魔を倒して祠の浄化を終わらせるためですよ。兄さんも来てますよ。」
と答えると、
「ナヲさん、今からでも遅くはありません、あそこは危険です。帰った方がいい。」
「大丈夫ですよ。明日祠の幽魔を殲滅しますから、一ノ瀬さんも明日お祓いの儀式よろしくお願いしますね。って私、9時半から夕飯だから急いでお風呂入ってきますね。」
と伝え、私はお風呂に向かいました。
登場人物
小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。
角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。
小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。
小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。
小南カヨ子→ナヲの母。
皇帝陛下→角高順 光明の父。
皇后様→角優花 光明の母。
皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)
角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)
坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。
水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部
長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。
吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。
野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。
野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。
三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。
市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。
相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族
九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。
春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。
春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父
平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。
中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。
木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。
佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。
瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。
一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。
大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。
星野由美子→天文部、部長。
一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主
一ノ瀬サツキ→類の母
一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務
浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事
三木さん→皇居の女中頭
井沢団長→近衛騎士団元団長・現、特別救援部隊隊員
鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事
北見→特別救援部隊隊員
青木→特別救援部隊隊員
長野→特別救援部隊隊員
山口→特別救援部隊隊員
秋元→特別救援部隊隊員
宮橋→特別救援部隊隊員
石川→特別救援部隊隊員
福本→特別救援部隊隊員
加山→特別救援部隊隊員
多加知→特別救援部隊隊員
佐々木→九州騎士団団員
柳井→九州騎士団団員
江口→九州騎士団団員




