330.いつもの日常に⑳
「宮崎に行くのは私が自ら志願したんです。」
と言うと、かえでさんは
「はぁ?何で?何であんな危険なところに行こうとするのよ。・・・自ら志願するって・・・。」
「だからそれを今から説明するって言ってんだろ。かえで、少しは落ち着け。」
と隆くんが言うとかえでさんは
「わかった。ごめん。ナヲ、続けて。」
と話を続けるように私に言いました。
「私が宮崎に行きたいと思ったのはあきちゃんを助けたいと思ったからなんです。」
すると富さんは
「皇太子殿下に助けてくれって頼まれたんですか?」
と言います。私は
「ううん。違う。私があきちゃを助けたいと思ったの。私、あきちゃんが宮崎に行ってから気が付いたの。私はあきちゃんのことが好きで好きで仕方がないんだって。私は平民だしあきちゃんの身分についても十分に理解してる。私はあきちゃんとどうこうなりたいわけではないの。ただ、あきちゃんに何かあったら私は生きていけない。私が生きていくためにはあきちゃんが生きていてくれないといけないの。そんなあきちゃんが今、命の危機にさらされているの。だから誰のためでもない、自分のために宮崎に行くことを決めたの。」
私の話を聞いたみんなは驚くかと思っていましたがそうではありませんでした。そしてかえでさんは
「私たちは、ナヲが自分の気持ちに気がつく前から、ナヲがあきちゃんのことが大好きなこと知ってたわよ。今、ナヲの話を聞いて、「だろーね。」って思った。ナヲ。ナヲの気持ちはわかった。愛する人を助けたいっていう気持ちは。でも、今の戦況はナヲが一人で戦いに行ったところで焼石に水よ。」
「私だけではなく兄さんも一緒に行くの。神力を使える元隊士の方が10名と怪我から復帰された元騎士団長も一緒
すると私たちの会話を聞いて信くんが
「元騎士団って。ブランクがあるんだろ?大丈夫なのか?」
「宮崎に行くためにちゃんと訓練をされているから大丈夫です。それに兄もいますから。みんなが心配してくれるのはありがたいのですが、心配していただかなくても大丈夫です。私、勝つ自信しかないので。幽魔を退治してあきちゃんと一ノ瀬くんを連れて帰ってきます。だから心配せずに待ってて下さい。」
と私が伝えると、
隆くんが
「わかった。俺はナヲが帰ってくるのを心配せずに待ってる。」
と言うと、信くんも
「角様と、一ノ瀬くんを頼んだぜ。」
と言い、かえでさんは
「宮崎のお土産、お菓子がいい。そして、ナヲと角様と、一ノ瀬くんと私達でここでお茶会しよ。」
と言い、富さんは、
「恋する乙女は強いですね。ナヲさん。美味しいお抹茶買っておきますから。」
「みんなありがとう。」
それから下校の時間になるまで5人で色々と語り合いました。
登場人物
小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。
角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。
小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。
小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。
小南カヨ子→ナヲの母。
皇帝陛下→角高順 光明の父。
皇后様→角優花 光明の母。
皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)
角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)
坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。
水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部
長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。
吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。
野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。
野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。
三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。
市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。
相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族
九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。
春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。
春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父
平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。
中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。
木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。
佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。
瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。
一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。
大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。
星野由美子→天文部、部長。
一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主
一ノ瀬サツキ→類の母
一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務
浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事
三木さん→皇居の女中頭
井沢団長→近衛騎士団団長
鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事




