327.いつもの日常に⑰
私たちが宮崎に行くことになり、準備が早急に進められました。翌日私たち家族は帝国議会の会場に呼ばれ、私と兄は皇帝陛下から特別救援部隊隊員に任命され、騎士団の制服をいただきました。隊服は騎士団の方と色違いでえんじ色。皇太子殿下と花ちゃんが皇帝陛下に働きかけてくださり、皇帝陛下や三条様、兵部大臣の剛田様が中心となり緊急会議を開いてくださり私たちが騎士団の一員として動く特別法案を作って下さり、私たちは騎士団として宮崎に行くこととなりました。だからこの遠征での保証のもろもろは騎士団としてきちんと受けることができ、この討伐で活躍できれば、貴族になるための功績としてきちんと評価をしてもらうごとができます。(私は社の世界で戦ったこと、天照の世界で戦ったことも武功として評価してくださるとのことです。)私たちは帝国初の学生兼騎士として働くことになったのです。ちなみに宮崎に行っている間、私たちは給料もいただけることとなりました。
議会が終わると皇帝陛下に呼ばれ、私たち家族は貴賓室へ案内されました。貴賓室には皇帝陛下、皇后様、皇太子殿下、皇女光江様(花ちゃん)、三条様、兵部省大臣江田様、そして井沢団長と、40〜50代くらいでしょうは落ち着いた雰囲気の騎士団の制服を着た方々が10人いらっしゃいました。井沢団長と10人の騎士団の方は私たちが先程いただいたえんじ色の隊服を着ていらっしゃいます。(隊服は上がえんじ色、ズボンは黒)
「宮崎行きを決断してくれてありがとう。」
と皇帝陛下がおっしゃると私たちに対して皆が頭を深く下げました。
それから私達は宮崎に行くにあたっての細々とした説明(宮崎に行く日程・行程、戦況から給料や補償、学校(学校を公欠している間の授業は後日受けることができる
など)の事など細々したことまで説明を受けました。
因みに出発は明日12月23日朝、汽車の寝台車特急で丸一日かけて宮崎へ。翌24日昼過ぎに到着、現地の騎士団との打ち合わせ諸々を行い、25日に決戦という予定です。クリスマスに決戦だなんて。クリスマスの文化がは根付いてないとはいえ、聖なる日に戦うなんてね。まさしく聖戦。何としても祠の浄化を成功させなきゃ。私は拳に力を込めました。
それから、騎士団の制服を着た皆さんが紹介されました。この方々は騎士団を引退された神力持ちの方々で、宮崎の部隊がピンチになったことで招集され、ブランクを埋めるためにここ3週間井沢(元)隊長のもと、訓練をされていたそうです。(井沢(元団長)は天照の世界で重症を負い騎士団長としての任が果たせないと団長という役職を辞任されたそうです。退院後リハビリや訓練を重ねられ今は一般隊士と試合ができるくらいまでに回復されたそうです。)私と兄はこの元騎士団であったこの方々と、井沢元団長と共に宮崎に向かうこととなりました。
登場人物
小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。
角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。
小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。
小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。
小南カヨ子→ナヲの母。
皇帝陛下→角高順 光明の父。
皇后様→角優花 光明の母。
皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)
角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)
坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。
水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部
長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。
吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。
野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。
野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。
三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。
市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。
相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族
九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。
春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。
春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父
平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。
中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。
木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。
佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。
瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。
一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。
大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。
星野由美子→天文部、部長。
一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主
一ノ瀬サツキ→類の母
一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務
浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事
三木さん→皇居の女中頭
井沢団長→近衛騎士団団長
鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事




