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316.いつもの日常に⑥

 特別部隊が出発して3週間がたちました。期末試験も終わり、もうすぐ冬休みです。

「ナヲ、やりますなぁ。」

「はい。やりました。かえでさんはもう少しやれたのではないですか?授業中居眠りをせずにノートを毎回とればもう少し点数が上がると思うのですが。」

「厳しいご指摘、ありがとうございます。でも、眠気を我慢することはできません。」

「2人で何漫才をしてるんだ?」

かえでさんと話をしていると隆くんがやってきてツッコミを入れました。

「ナヲ、おめでとう。今回も1位じゃん。隆は5位。前回より上がってるじゃん。」

信くんが、褒めてくれました。

「私も今回は7位、前回よりあがったわよ。」

期末試験の上位15名が張り出されている張り紙を指差して富さんが言います。

「ねえ、今日は職員会議で3時下校だし、久しぶりに周南堂へ行かない?」

というかえでさんの提案にみんなは賛成しましたが、

「ごめんなさい。今日、予定があって。」

と私がお断りをすると、

「お仕事?」

と富さんが尋ねます。私は、

「ここではちょっと。」

と伝えると、私たちは家庭科室の前に移動しました。


「私、皇太子殿下に呼ばれていて。兄と夕方に皇居に行かなきゃいけないんです。」

と伝えると、かえでさんが、

「宮崎に行くの?」

と真剣な表情で尋ねます。

 特別部隊が宮崎に出発してから3週間が経ちますが、帰還したという報道はまだなされていませんし、あきちゃんも一ノ瀬くんも学校を休んでいるままです。情報統制がされているのか特別部隊が出発してからは、新聞や、ラジオなどで報道されてはいません。(出発したこと書いた記事は新聞に載っていました。)

「さぁ?まだ何もわからないわ。昨夜電報が届いて、今日の夕方に皇居に来るようにとだけしか書かれていなかったから。」

と伝えると、かえでさんは

「そっか。私、あんたがこれ以上傷だらけになるのは嫌だからね。」

と言って私の手を握ります。すると隆くんが、

「ナヲが宮崎に呼ばれるのであれば、ナヲの両親も呼ばれるだろ。そうじゃないってことは別件だよ。」

とかえでさんに伝えます。

「私もそう思ってる。だから安心して。」

と私はみんなに伝えると、富さんは、

「もし、宮崎に行ってくれないかと皇太子殿下に頼まれたとしても、ナヲさんが行きたくないのであれば無理して行くことはないんですよ。ナヲさんは他人のことを優先しすぎるところがありますから私は心配です。角様や、一ノ瀬さんのことは気にせず、ナヲさんの正直な気持ちを返事すればいいんですからね。無理して宮崎に行くことはないんですからね。」

と言って私に微笑みかけてくれました。私は

「富さんありがとうございます。又、私1人では解決できないことがあったら、皆さんに相談させていただきますね。」

と伝えると、みんなは快く了解してくれました。


登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

平川環→セイコウ出版社の社長。敏光の姉(フジの妹)。ナヲの伯母。

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

井沢団長→近衛騎士団団長

鶴崎→光枝(花ちゃん)の専属執事

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