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295.親離れ㊼

 翌日私は無事に退院しました。

 私は家に帰ると(皇太子殿下の部屋に持って行っていた)荷物を片づけるために段ボールを開けました。すると一通の封筒が入っていました。封筒の宛名には『ナヲさんへ』、差し出し人欄には『みっちゃんより』と書いてありました。 

「皇太子殿下らしいな。」

私は封筒を丁寧に開け、と三つ折りになっている手紙を取り出すと、それを丁寧に広げました。一枚目の便箋を外すと、綺麗な字で

『前略ナヲさんへ

 身体の調子はどうですか?私は、(天照の力で八咫烏がナヲちゃんから親離れができ私と一つになれたことで)これまで以上に精力的に公務をこなしています。これもナヲちゃんが色々と協力してくれたおかげです。特にナヲちゃんはあちらの世界で幽魔の群れと戦い、私やみんなを守ってくれたと聞いています。今、私や光明、一ノ瀬君や井沢団長が生きていられるのはナヲちゃんのおかげだと心から感謝をしています。そして、ナヲちゃんには無理をさせて、ケガまで負わせてしまい本当に申し訳なく思っています。本当にごめんなさい。

 短い間でしたが私にとってナヲちゃんと過ごした日々はとても楽しいものでした。特に1日だけだったけど学生時代に戻れたことはいい思い出です。

 これから私は自分の役目を果たすために公務に専念し、国民のために尽くしていきます。ナヲちゃん、これまで本当にありがとう。元気でね。  みっちゃんより  

追伸、春日光輝は病気治療のためにドイツに行くので退学すると学校には連絡し手続きを済ませました。もう少しナヲちゃんと学校生活を送りたかったな。』

と皇太子殿下の話し言葉で手紙は書かれていました。

 そういえば大川さんが神聖な祠の穢れを祓うために特別部隊が編成されたと言っていましたね・・・。皇太子殿下はこれから忙しくなるんですね。そして、あきちゃんは天照に八咫烏の力を使って神聖なる祠へ行きなさいと言われ、一ノ瀬さんは穢れを祓うように言われていましたね。ということはあきちゃんも一ノ瀬さんもしばらく公務で学校をお休みするのかしら?そんなことを考えながら荷物の片づけをしました。片づけを終えた私は大の字になって部屋の中央に寝っ転がりました。見慣れた天井。畳の感触。は~。落ち着きます。やっぱりここがやっぱりここが私の居場所だなと改めて感じました。



登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

井沢団長→近衛騎士団団長

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