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270.親離れ㉒

 武器と防具を待っている間に夕食をいただきました。大川さんのお母様が私たちに肉うどんとかしわめしを作ってくださいました。時計を見ると夜の9時半を回っています。私はうどんをいただいてお腹が満たされたことで眠気が襲ってきました。



 ガタガタガタガタ・・・・。気が付くと馬車に乗っていました。私はあきちゃんの膝を枕に寝ていたようです。

「おはよう。ナヲちゃん。ってもうすぐ11時になるけどね。」

とあきちゃんが言います。私は慌てて起き上がろうとするとあきちゃんは

「このままで。疲れているんでしょ。」

と言って私の頭を撫でます。

「明日と明後日は、社に向かう私、光明、ナヲちゃん、一ノ瀬君、正次朗くんは学校を休んで休養をとるようにと皇帝陛下からの命が下っているから。今日は寝るのが遅くなっちゃうけど、明日は好きな時間までゆっくり寝てていいからね。それと正次朗くんと一ノ瀬君は別の馬車でちゃんと送り届けているから。それとナヲちゃんの刀は明日の午前中に届けるって。怪我をしているナヲちゃんが抜刀しやすいように柄に指を引っ掛けるところをつけるんだって。ねえ、それよりも明日は私と一緒にまったりしようね。」

と言いました。すると皇太子殿下が

「じゃあ私も一緒にまったりするってことでいいんだよね。私とナヲさんは離れられないんだから。」

と言うと、あきちゃんは

「はぁ~。」

と大きなため息をついて、

「仕方ないな。」

と言って私の肩をトントンと子供を寝かせるようにリズムよく優しくたたき出しました。その心地よいリズムは私をリラックスさせ夢の中にいざなって行きました。

「満開になるにはまだもう少し時間がかかりそうですね。桜が満開になったったらまた一緒に見に来ませんか?」

光明さん?光明さんと初めて会ったお見合いの日の光景。なぜか最近、光明さんのことを思い出すことが増えてきた様に思います。それはそうとして、あの時私はなんて返事をしたんでしたっけ。でも結局、満開の桜を二人で見ることはできなかったのよね。

・・・・・・。

・・・・・・。

「僕は明後日から仕事で2週間出張だった。・・・すみません。来年、一緒に見ましょう。だから・・・あの、結婚を前提にお付き合いをしてくれませんか。」

・・・・え?何であきちゃんが光明さんの背広を?え?光明さん?あの背広は光明さんが太丸デパートで私とのお見合いの前に新調したって言っていたお気に入りの背広。何であきちゃんが着ているの?

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

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