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268.親離れ⑳

「この無名の刀はナヲさんに差し上げます。この刀は300年前ここの工房にいた職人が作った逸品です。しかしこの刀は持ち主を選ぶからね。・・・やっとこの刀を使いこなせる剣士が現れた。もしかしたらこの刀はナヲさんが迎えに来るのをずっと待っていたのかもしれません。左手の怪我が治ったら力の入り方や使う感覚が変わりますから、その時は柄の部分に重りを入れて形を少し変えるなど調整すれば今後の使用にも問題ないと思います。その時はここに持ってきてください。先ほど私も外の粘土を見ましたが、この刀をこれだけ使いこなせる人間は今後も現れないでしょう。だからあなたの相棒としてそばにおいてやってください。」

と大川さんのお父様が手入れをし終えた刀を私に差し出しました。私は

「こんな高価なものを受け取ってもいいのでしょうか・・・。」

私は戸惑ってしまいました。すると大川さんのお父様は

「ナヲさんが使ってくれなかったらまたこの子が一人ぼっちになってしまうから。お願いします。」

そこまで言われればお断りする方が失礼ですよね。

「わかりました。この刀、大事に使わせていただきます。」

と言って刀を受け取りました。大川さんは

「ナヲさんの準備はこれでいいね。よし。じゃあ、さっき殿下が選んだ双剣で試し切りをしよう。又、外に出てもらっていいかな?」

 

 私たちは外に出ると大川さんは皇太子殿下の左右の腰にベルトで刀を固定しました。

「殿下は双剣をお使いになるんですね。」

と私が尋ねると、

「本当は薙刀や棍の方が得意なんだよね。薙刀や棍は鞘で神力を刃に付与するんだけど薙刀はそれに時間がかかるらしいんだ。だから双剣の方がいいかなって。」

と答えます。

私は邪魔にならないように後ろに下がりました。大川さんの「お願いします。」を合図に、皇太子殿下は

「はっ!! 」

と声を出して双方から抜刀すると粘土をばってんに切り抜きました。

「す、すごい。」

その時ドテッと粘土が地面に落ちました。

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事

三木さん→皇居の女中頭

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