251.親離れ③
私たちは家庭科室前に移動しました。周りに誰もいないことを確認し中に入りました。私は八咫神神社に向かってからのことを4人に説明しました。すると4人は急に緊張した様子になりました。そしてかえでさんが、
「あの・・・。皇太子殿下はナヲさんの御親戚と言う設定ですけれども、私たちはなんとお呼びしたらいいのでしょうか?」
ととても丁寧な口調で皇太子殿下に尋ねました。すると殿下は
「私はナヲちゃんの親戚、春日光輝。だから学校では皇族ではく平民として接してほしい。私と話すときはため口で話をしてくれないだろうか?それと、私を呼ぶときはみっちゃんで。」
と答えると、かえでさんは
「わかりました。じゃあ、ちょっと・・・1ついいですか?みっちゃんの話し方、平民っぽくないですよ。」
と伝えると、皇太子殿下は
「え?そうかな。フランクな感じに話せていると思うけど。ナヲちゃんより砕けた話し方をしていると思うんだけど。」
と皇太子殿下が言うと、
「ナヲは特別。普段から敬語だし。ナヲを基準にしないでほしいわ。ね。隆。」
と言うと、隆くんは
「かえでってすごいな。もう皇太子殿下とため口だよ。・・・でもかえでの言うことも一理あるな。皇太子殿下の口調は確かに平民っぽくないよな。」
と言うと、信くんが
「でもナヲの親戚ってことなら丁寧な口調でも良くない?今から変えると逆に不自然になるんじゃない?」
と言うと、富さんが、
「それもそうね。だったら一人称だけでも変えてみたら?俺とか。」
と提案するとかえでさんは
「あーーそれいい。みっちゃん、俺って言って?」
と言うと
「俺の話し方、これでどう?」
というとかえでさんは
「あーーー。いい。それでいこ!!」
と喜んでいます。かえでさんがいると場が和みますし、みんなの緊張もほぐれていきます。そして、信くんは
「みっちゃん、ナヲと離れていい距離ってどのくらいなんですか?」
と尋ねると、
「同じ部屋で過ごしている分には大丈夫なんだよね。気配が感じられたらいいんだろうね。」
と答えると、隆くんが
「今のうちに試しておこう。俺たちが距離感を理解してないと、フォローもしにくいだろ。」
と提案してくれて実際にやってみることにしました。
登場人物
小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。
角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。
小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。
小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。
小南カヨ子→ナヲの母。
皇帝陛下→角高順 光明の父。
皇后様→角優花 光明の母。
皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)
角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)
坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。
水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部
長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。
吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。
野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。
野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。
三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。
市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。
相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族
九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。
春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。
春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父
中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。
木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。
佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。
瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。
一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。
大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。
星野由美子→天文部、部長。
一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主
一ノ瀬サツキ→類の母
一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務
浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事
三木さん→皇居の女中頭




