25.昼休み
私たちはいつものメンバーで、集まって教室でお弁当を食べていました。朝、信くんが買ってくれたパンもいただきます。(よく食べるなぁなんて呆れないでください。私たちは育ち盛りなんですから!)今日の私たちのお昼はちょっと豪勢です。いつものように5人で食事をしているとA組のから男女のざわめきが聞こえ、その声がだんだんと近づいてきました。すると
「角様!」と誰かが声を上げました。その声を合図にみんなが教室の扉に注目。そこには175センチくらいのスタイルの良い超絶美男子が立っています。先程は、メガネをしていなかったからよく見えませんでしたが、今はよく見えます。みなさんがざわつくのも納得です。しかしながら、前世の記憶でしょうか。イケメン俳優?アイドル?どこかで見たことあるような・・・。そんな事を考えながら卵焼きを食べていますと、皇子が私たちの所に近づいてきました。私には接点もありませんし、昼食後図書館に本を返却をしに行かなければならないのでそのまま食事を続けていますと、
「ナヲちゃん。」
「・・・えっ?!」
弁当を食べる手を止めて見上げるとそこに皇子がいらっしゃいます。私がポカンとしていますと、
「メガネ、似合ってる?」
さらにポカンとしていますと、
「え〜、ナヲどーゆー事?!あんた角様とお知り合いなの?」
「角様はナヲの事知っているみたいだけど?」
かえでさんと信くんに問われても、私の頭には?(はてな)が増えるばかりです。クラスメイトも廊下から皇子を見ている生徒たちからも注目されて私がパニックになっていると、
「眼鏡、似合ってる。約束通り迎えにきたよ。」
登場人物
小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。
角光明→日之本帝国第二皇子
坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。強柔道部期待の星。
水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部
長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。
吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。
野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲの幼馴染。