247.八咫烏(あきちゃん視点⑭)
浜田さんはナヲちゃんのスペースから出てくると、机の上の書類を片づけ始めた。あれ?ということは、今、あのスペースにはナヲちゃんと兄さんの2人きりってこと。なぜ?浜田さんは一緒じゃないのか?私は2人の様子が気になり必死に聞き耳を立てた。2人は、明日からの学校のことを打ち合わせているようだった。その打ち合わせの中で、兄がナヲちゃんにみっちゃんと呼んでくれって改めて伝えていた。私はそのことが気になってしまったが仕方ない。明日から兄はナヲちゃんの親戚として学校に通うんだから。それから二人は世間話をし、兄がナヲちゃんのスペースから出て、自分のベッドがあるスペースに移動した。私は兄や浜田さんがナヲちゃんのスペースに行かないことを確認してから、ナヲちゃんのもとに向かった。
ナヲちゃんに声をかけるタイミングを伺いながら覗いてみると、ナヲちゃんは編み物をしていた。あの毛糸・・・。あの時の。ナヲちゃんは傷口が痛むのかゆっくりと編んでいる。私はナヲちゃんを驚かせないように声をかけたが結局びっくりさせてしまった。それからナヲちゃんが私のセーターを編んでいるところを見せてもらった。ナヲちゃんは包帯と傷のせいで編むのに時間がかかってしまうと言った。私は思わずナヲちゃんの手を取り無理をしないでほしいと伝えた。ナヲちゃんの小さな手は私を守るために傷つき、私を喜ばせるためにセーターを編んでいる。私の掌の中にあるナヲちゃんの手が愛しくてたまらなくなり包帯の上から優しくキスをした。するとナヲちゃんは動揺あわあわしていた。???こんなことで動揺するなんて、少しは私を異性として見てくれるようになったのかな?
登場人物
小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。
角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。
小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。
小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。
小南カヨ子→ナヲの母。
皇帝陛下→角高順 光明の父。
皇后様→角優花 光明の母。
皇太子殿下→角光輝 光明の兄。(みっちゃん)
角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)
坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。
水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部
長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。
吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。
野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。
野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。
三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。
市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。
相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族
九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。
春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。
春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父
中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。
木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。
佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。
瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。
一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。
大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。
星野由美子→天文部、部長。
一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主
一ノ瀬サツキ→類の母
一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務
浜田さん→皇太子殿下角輝光の専属執事
三木さん→皇居の女中頭




