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213.八咫烏⑮

 私たちは再び会議を開く事になりました。皇太子殿下から私が離れると八咫烏が体から出てきてしまいます。皇太子殿下の体調を考えると、八咫烏は皇太子殿下の体の中から出る事なく同化していく方がいいのですが、私から離れると体から出てきてしまいます。私は皇太子殿下の横に座らされてしまいました。皇太子殿下は

「ナヲちゃんが私の妻になってくれれば全てが丸く収まると思うんだ。」

と私に微笑みながらおっしゃいます。するとあきちゃんが立ち上がり

「兄様、先程聞きましたよね。ナヲちゃんの夢の事を。それにまだ身分制度の法案も通っていません。」

掴みかかる勢いで皇太子殿下に伝えます。

「ナヲさんは騎士団に入っていないが八咫烏を救い出したという充分な功績もある、彼女の武の実力は折り紙つきだ。だから特例として今年の剣術大会に出場したら確実に優勝できると思う。そして大勲位最高戦士賞を受賞できる。それで彼女が士族になれば身分差の問題はクリアできる。剣術大会に彼女の兄である正次朗くんが出場しなければ彼女は確実に優勝できる。正次朗くんは今年の出場要件は満たしていない。これ以外の方法は私は思いつかない。もう私たちは離れられない関係になってしまったから。ところでナヲさんは10歳の歳の差ってどう思う?歳の差のある結婚ってどう思う。」

「どうと言われても・・・。まだ学生ですし、考えたこともありませんが、年齢差がある結婚も当人達がよければ問題ないと思いますけど。でも私には夢もありますし、学校にこれまで通りに通い、大学校へ進学して色々学びたいとおもっています。ですからできれば皇太子妃になることはご遠慮したいのですか。」

「八咫烏のお陰で、私は今力が有り余っているんだ。だから私が付き添う形にはなるがこれまで通り学校に通ってもらってかまわない。皇太子と皇太子妃の事務仕事は全て私が夜に行えばいい。公務で共に出かける必要がある時以外は今まで通りの生活を保証する。帝国議会についても私が皇帝になるまで参加の必要は無いし。帝国議会以外の会議は放課後の時間に行えばいい。ナヲさんの夢の話は本来であれば文部省が考えねばならない事業だよ。君は政治の才もある。君に思う人が居なければこれから2人で愛をはぐ組んでいけたらと思っている。2人で支え合いながら少しずつ夫婦になればいい。」

私はどう返事をすればいいか悩んでいると、

「兄様!いい加減にしてください。」

あきちゃんは怒って皇太子殿下の胸元を掴みました。私は慌ててあきちゃんを止めました。

「じゃあそれ以外に方法はあるのかい?私はナヲさんの夢の実現も最大限に尊重し、案を出した。ナヲさんは聡明な女性で話していてもとても楽しい素敵な女性だと思ったんだ。」

「そんなの知ってるよ・・・。」 

あきちゃんが言うと、皇太子殿下は、ハッとした表情になり、

「あ?!ちょっと席を外します。ナヲさんちょっとの間八咫烏をお願いするね。」

と言って、あきちゃんを連れて廊下に行くと

「カー!」

という鳴き声がして、しばらくするとよちよちと八咫烏が戻ってきました。

後書き

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

皇帝陛下→角高順 光明の父。

皇后様→角優花 光明の母。

皇太子殿下→角光輝 光明の兄。

角光枝→角光明の姉。(花ちゃん)

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

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