2.みなさんよろしくお願いします!!
おはようございます!って!@/"..?,!!<=☆○・*何事ですか?!
目が覚めた私をニコニコ微笑むハンサムな男性と、可愛らしい少年と、年配の女性が覗き込んでました。・・・びっくりしました。
「カヨ子さんに似てかわいいなぁ〜!なあ正次朗!」
と言いながら、30歳くらいの着物が似合う歌舞伎役者の様なハンサムな殿方がお母さんの横に寝ている私をそっと抱きました。
「そうですね!父さん。とってもかわいいです!!」
「よし!正次朗!私はナヲを嫁に出さん事に決めた!」
「わかりました!ナヲは嫁に行きません!お父様!これからは、職業婦人の時代です!!」
この少年、ノリがとても良いですね。・・・って今、「ナヲ」って言いました?私の名前がナヲ?聞き間違えではないですよね?
「旦那様・・ぼっちゃま・・。」
着物に割烹着を着た(70歳を過ぎたくらいの)年配の女性が、2人のやり取りを見ながら呆れながらも微笑んでいます。
あぁ。そうだった。
100歳の私は病院で、家族に見守られて亡くなった後、ここに生まれ変わったんだったわ。
私の母親は女優さんのように美しい奥様と呼ばれていたカヨ子さん。そして父親は旦那様と呼ばれているハンサムなこの男性。私はこのお二人の子として産まれ変わったんですね。
そういえば・・・。この世に生を受けた時、逆さまになって叩かれたのは、私が生まれて泣かなかったからなのね。・・・だからあの時苦しかったのですね。カヨ子さん・・ではなくてお母さんには心配をかけてしまいましたね。
私も前世で息子を産んだ時に泣かなかったから、産婆の房枝さんが息子を逆さにしてお尻を叩いて・・。その時は生きた心地がしませんでした。
その息子は、小さい頃に大病も患い、色々心配もしましたが、2人の孫がいるおじいちゃんですよ。
なんて私の前世の話はどうでもいいですね。状況整理を致しましょ。
まず私の名前は「ナヲ」。
なんで名前を呼ばれてあの様にうろたえてしまったのかというと、前世の名前もナヲだったんです。
母の名はカヨ子。24、5歳くらいの女優の様に美人な女性。父の名前はまだわかりませんが、20代後半から30歳くらいの、歌舞伎役者の様なハンサムな男性。兄の名は正次朗。とてもノリが良くて、可愛らしい5、6歳位の少年。
着物を着た年配の女性は、父や兄のことを旦那様や、ぼっちゃまと呼んでいるのでおそらく家政婦さんか、女中さんではないでしょうか?家政婦さんや女中さんがいらっしゃるということは我が家は比較的裕福な家庭だと思われます。
って!!あっ!えっ?!痛いっ!チクチクします!お父さん!頬擦りはやめてください!
「うえーん!え〜ん!え〜ん!(ちくちくして不快です!)」
「父さんだけずるーい!僕も!」
「旦那様!おぼっちゃま!ナヲ様が嫌がって泣いていますよ!」
「嫌がっていないよなー。ナヲちゃん!」
「ねー!!」
「え〜ん!え〜ん!(ちくちくは、いやですわ!)」
「旦那様、これ以上続けられると奥様が起きてしまいます。」
「旦那様がナヲが起きたら私が世話をするって。奥様に休めとおっしゃられたのでしょう。」
「おっと。そうだった。カヨ子さんを起こしては本末転倒だな。」
「ナヲ〜。泣き止んでくれ〜。」
「ナヲ!僕を見て!!いないいないばぁ!」
「ねーんねーん、ころーりよ」
「旦那様、もしかしたらオムツが濡れているのかもしれませんよ。」
私の家族は明るくて,温かい方たちです。私はこの家の娘に産まれたことを幸せに思います。
「え〜ん!えん!えん!(みなさん、ナヲです。これからよろしくお願いします!)」
第二話をお読みいただきありがとうございました。
次回はちょっと大きくなったナオのお話です。いよいよ物語が動き始めます。