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188.夜の学校㉔

「お邪魔します。」

と緊張した様子で入ってきて、布団の横で正座をしました。

 あきちゃんは家庭科室に戻った時、私を庇って落ちたので、怪我をしているかもしれません。私はあきちゃんに、

「右腕と右太もも見せてください。」

と伝えると、あきちゃんは急に慌てます。

「社があった世界から家庭科室に戻った時、私を庇ってくれたでしょ。私、先生から打身に湿布をつかうように言われたんです。その打身は家庭科室に戻った時のものなんです。あきちゃん、怪我していないですか?」

「大丈夫だよ。」

「あきちゃんは私を支えながら落ちたんですよ。平気なはずはありません。」

と言って、私はあきちゃんの寝巻きの袖をまくりました。

「あ、やっぱり赤くなってアザになってますよ。湿布を貼りましょう。はい、足も出してください!」

と言うとあきちゃんは

「大した事ないよ。」

と言って湿布を貼ろうとしません。

「じゃあ、私が貼ってあげます。」

と言うと、恥ずかしそうにあきちゃんは、

「じゃあ、おねがいします。」

と言って素直に足と手を出してくれました。

湿布を肘に貼ると

「う。冷たい。」

「はは、でも気持ちいいでしょ。」

「うん。」」

「じゃあ、足を見せて。」

と言うとあきちゃんは寝巻(浴衣)の裾をめくりました。太ももの右側にあざができています。寝巻をめくり足を出しているあきちゃんは、妙に色っぽくて、私は急に恥ずかしくなってしまいました。私は

「やっぱり自分でお願いします。」

と言うと

「ナヲちゃんが貼ってくれないなら湿布はいらない。」

と意地悪な顔をして私を見つめます。

「でも・・・。」

と私が困っていると」、

「でも?でも何?ナヲちゃん貼ってくれないの?」

私に顔を近づけて言います。私はますます恥ずかしくなって。

「は、恥ずかしいから。無理です。だから自分で貼ってください。」

あきちゃんとの距離をとろうと立ち上がろうとしたら、

「ごめん。調子に乗りすぎた。」

といって私を引き留めようとあきちゃんが腕をつかんだので私はバランスを崩し倒れてしまいました。

「いたたた。」



登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

星野由美子→天文部、部長。

一ノ瀬雄太郎→類の祖父、八咫神神社神主

一ノ瀬サツキ→類の母

一ノ瀬勇→類の父、神祇省勤務

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