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181.夜の学校⑰

「ところで角様、いつまでこの格好でいらっしゃるんですか?もう大丈夫です。」

とあきちゃんに伝えると、

「さっき神力を使った上にこの出血。無理をしてはダメだよ。」

と言って離してくれません。すると

「ナヲ?!あんたすぐ無理するでしょ。そのまま座ってなさい!」

とかえでさんに怒られてしまいました。しばらくしてかえでさんは、

「あの。角様、今日のこと隆には教えていいかしら?あいつだけに秘密にするってちょっとさ・・・。あいつ口固いし。」

「うん。隆くんにならいいよ。」

「ありがとうございます。」

そんな話をしていると、一ノ瀬さんが戻ってきました。それから2〜3分してから信くんと富さんがかばんを持って戻ってきました。

「天文部の人たちにはイタチが3階の天井裏で子供を産んで、その子供達が大きくなって暴れだしたから最近頻繁に音がするようになったんだろうって伝えた。それでナヲがイタチにかまれたからこれからそのまま病院に連れて行くって話したから、この件について聞かれた時はこの話に合わせてほしい。天文部の人たちはこの話に納得してくれたから安心してくれ。」

と言うと信くんは私にジャージを私に貸してくれました。

「取りあえずこれを着ろ。このまま校内を歩くわけにはいかないだろ。これなら手まですっぽり隠れるだろ。」

「ありがとう。」

私がジャージを着ようとすると、私とあきちゃんの間に隠れていた八咫烏は私の胸元から制服のジャンパースカートの中に潜り込みました。

「この鳥、さっきナヲに会ったんだろ。なのにすっかり懐いているな。」

という信くんの問いに

「多分刷り込みだと思うの。」

と答えると、

「刷り込みって何?」

と耳元であきちゃんが尋ねます。

「鳥が生まれて最初に見るものを親として認識する現象です。私が社の扉を開けたでしょ。この八咫烏にとって私が初めて出会った相手だったんだと思うんです。八咫烏にこのような生態があるかはわかりませんが・・・。」

「なるほど。ナヲちゃんは物知りだね。」

とまた耳元でささやきます。

「角様耳元でささやくのやめてくれませんか?」

「だって聞かれたら困るだろ。」

と私の顔を覗き込みウインクをして警備の方の方を見ました。

「・・・そうですね。」

私は俯いたまま顔を上げることができませんでした。


登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

星野由美子→天文部、部長。

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