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135/410

135.訓練(あきちゃん視点⑤)

「決勝戦までお時間がございますので、軽食ではありますがお食事をご用意いたしました。皆様、別館にご移動ください。」

私たちは係の者に促され控室を出た。


 救護室前でなをちゃんとすれ違った。彼女はさっきの試合でけがをしたのだろうか?一瞬彼女と私の視線が合ったのだが私たちを確認した瞬間に彼女は頭をさげたためにぷっつりと途切れてしまった・・・。


 ナヲちゃんはけがをしたのだろうか?もしそうであれば次の試合は正ちゃんだ・・・。きっとナヲちゃんのことだからけがをしていても平気な顔で試合に臨むに違いない。相手は正ちゃんだ・・・。私は心配になり、用意してもらった食事が全くのどを通らなかった。


「皆様、決勝戦10分前でございます。」

 私たちは別館から貴賓席に戻る際、救護室の扉が開いた。その時、ナヲちゃんに支えられながら歩く大川の姿が目に入った。いったいあいつは何なんだ!そしてナヲちゃんは今日出会ったばかりの大川と何でこんなに親しげにしているんだ??いったい何なんだ・・・。

 貴賓席への入り口前で、救護担当の医師がこちらに向かって歩いて来たのが見えた。私は咄嗟に、

「先程決勝戦に進んだ小南という女性の選手が救護室から出てきたが、怪我をしたのか?」

と尋ねた。すると医師は

「あぁ、彼女は怪我をしているわけではなく、試合相手の大川さんに会いにいらっしゃったんですよ。」

その返事に私は目の前が真っ暗になった。今日は、こんなふうにナヲちゃんの事で何度落ち込めばいいのだろうか?

 私は必死に感情を抑え貴賓席に着いた。目を閉じ呼吸を整え第二皇子である光明になる。私は、ナヲちゃんと正ちゃんの試合が始まるのをただ静かに待った。

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

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