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120.訓練

 次は私の出番なので会場に向かいました。一礼して会場に入ると大川さんが私の肩に手を置いて、

「頑張れよ。」

と声をかけ、そのまま会場を後にしました。


私は振り返り、

「ありがとうございます。」

と頭を下げてると、大川さんは右手を上げてそのまま観客席への階段に向かいました。

 私は荷物置き場に木刀袋を置き、くじ引きの様に一本木刀を取りだし、会場の中央に向かいました。私の対戦相手は30代後半くらいの鍛えられた体つきの男性です。短めの木刀を両手に2本持っています。双剣を使う方なんですね。日に焼けた肌に鍛えられた筋肉。この方もきっと騎士団の方なんでしょうね。お互いに礼をしました。


「はじめ!」

 私は双剣を使う方とは戦ったことはありません。神力を使わず、様子を見てから攻撃した方がよさそうですね。

 相手の方は巧みに技を繰り出します。その攻撃を木刀で払いながら動きを観察します。相手も私の出方を見ている様で神力を使いません。私は女性で力と体力では圧倒的に劣ります。これはすぐに終わらせないと厳しいですね。私は相手の左からの打ち込みが来る瞬間、神力を体に通し左腕で受け右側から振り下ろされる刀を木刀でうけ、みぞおちを思いっきり蹴って、そのまま突きを繰り出しました。


 その突きがちょうど相手の胴の上部に当たりました。そのまま相手は崩れ落ちる様に倒れ10カウント内にでは起き上がることができませんでした。


 私は礼をして木刀袋を持って観客席に戻りました。

「お疲れ様。相変わらず冷静な試合をするね。」

「双剣を使う方と戦ったことがなかったので。様子を見てから攻撃しようと思ったのですが・・・。相手は手の内を見せてはくれませんでした。なんとか勝ててよかったです。」

「手の内を見せる前にナヲが勝っただけだと思うけど・・。俺次の試合だから行かなきゃ。」


兄は試合会場に向かいました。



登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村邦子さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤美香さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

大川大地→騎士団の団員。自宅は武器や防具の工房で以前は職人として働いていた。平民。

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