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105.訓練

 今日から通常授業です。10月下旬の試験に向けてしっかり学ばなくてはなりません。門が開く時間に登校すると、朝の補習授業を受ける生徒もちらほら登校しています。

「おはようございます。ナヲさん。」

「おはようございます。相田さん。」

「今日も自習ですか?」

「はい、学校の方が調べ物もしやすいですし。」

「私は、朝補習を受講したのはいいんですが、早起きのおかげで授業中眠くなってしまうんです。」

そんな話をしながら相田さんと教室に向かいました。


 私は国語の自習をするために4階の図書室へ、朝補習を受講する相田さんは1年A組に向かいました。図書館の電気をつけて中に入ると早速教科書を出し自習を始めました。この作者の書いたこの短編は図書室にあるかしら。私は気になった本を探そうと席を立つと図書室の扉が開きました。

「おはよう。小南さん。」

「おはようございます。九条さん。」

「今日は教室にいなかったからここだと思って。」

「何か、私に御用ですか?」

「文化祭の時に小南さんが私の祖母を助けてくれたでしょ。改めてお礼が言いたくて、本当にありがとう。」

「いえいえ。私は何もしていませんわ。それより、おばあ様に怖い思いをさせてしまってごめんなさい。」

「いいや、怖い思いよりも自分を助けてくれた小南さんが幼い頃に読んだの本の主人公のようだったって、毎日楽しそうに話しているよ。」

「そうなんですね。怖い思いをされていなくて安心しました。

「それで、助けてくれた小南さんにって。祖母から預かったんだ。受け取って。」

「そんな、悪いわ。」

「おばあさまが是非にって。このまま持ち帰ったら僕がおばあさまから叱られてしまうよ。」

「じゃあ、ありがたく頂きます。おばあさまによろしくお伝えください。」



「僕もご一緒していいかい?」

「ええ。かまいませんよ。」

私は目的の本を見つけると席に戻りました。私は短編小説を読んでいると、九条さんの視線を感じます。

お互いに目が合うと九条さんは慌てたように、

「小南さんって、見た目はそんなに強そうじゃないのに、男2人を投げ飛ばしたなんて、信じられなくて。」

「柔道の技は相手の力を利用すれば、自分より体格のいい人にも技をキメることができるんです。だから私が特別に力持ちというわけではありません。実際に文化祭で柔道部の方との綱引きをしましたが、全く相手になりませんでしたし。」

「そうなんだ。でもすごいよ。小南さんのように文武両道で、性格もよくて、礼儀正しくて、僕はこれまでに君のような女性に会った事がないよ。」

「九条さん褒めすぎです。私はそんなにできた人間ではないですよ。まだまだです。」

「あのさ、小南さんよかったら・・・。」


ガラガラ。

 図書室に入ってきたのは確か、私に文化祭の後、あきちゃんの手紙を持ってきてくれた・・・確か一ノ瀬さん。

「おはようございます。小南さん。九条君。」

「おはようございます。一ノ瀬さん。」

「おはようございます。」

お互いにあいさつを交わすと、


「ここ、座っても?」

「ええ。どうぞ。」


一ノ瀬さんは私の隣の席に座り数学の問題集を解き始めました。九条さんは本を探しに行ったようです。

 私と一ノ瀬さんは時間まで自習を、九条さんは時間まで読書をして過ごしました。

登場人物

小南ナヲ→前世で100歳まで生き、その記憶をもったままこの世界に生まれてきた。この物語の主人公。神力を持つ。

角光明→日之本帝国第二皇子。幼い頃に遊んでいたあきちゃん(明)。

小南正次朗→ナヲの5歳歳上の兄。あだ名は正ちゃん。神力を持つ。

小南敏光→ナヲの父、工部省に勤めている。姉が経営しているセイコウ出版社副社長。神力を持つ。

小南カヨ子→ナヲの母。

花ちゃん→角光明の姉。

坂上信雪→貴族(士族)。正義感が強くて優しくて力持ち。柔道部期待の星。

水木富→貴族(華族)。気さくな性格で心優しい子。茶道部

長井隆→平民。九州の長崎出身。実家は長崎で貿易商、英語、仏蘭西語、独逸語が堪能。私が企画部部長を務めているセイコウ出版社で翻訳のアルバイトをしている。。

吉田かえで→平民。曲がったことが大嫌いな明るい活発な子。帝都の下町朝草生まれ朝草育ち。

野島柚木→あだ名はゆずちゃん。両親が営んでいる周南堂で働いている。午前中は購買で、午後は周南堂の店舗で働いている。ナヲとの幼馴染。

野島涼介→あだ名は涼くん。柚木の兄。

三条礼司→日之本帝国の上院、太政大臣。20年前は文部大臣だった。光明と花ちゃんの叔父。

市川先生→1年C組の担任。担当教科は数学。英国に留学経験があり英語が堪能。

相田さん→ナヲのクラスメイト。貴族

九条 善高→貴族。父は立法省の大臣 善成。社交ダンス部。

春日フジ→金属加工の春日工業副社長。竹男の妻。ナヲの父敏光の姉。ナヲの伯母。

春日竹男→金属加工の春日工業の社長。フジの夫。ナヲの伯父

中村さん→クラスメイト。文化祭の演劇のメイクを担当。

木田さん→クラスメイト。文化祭では衣装班。

佐藤さん→クラスメイト。文化祭では調理班。貴族。ダンス部。

瀬川くん→クラスメイト。文化祭では調理班。平民。

一ノ瀬類→あきちゃんのクラスメイト。

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