表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

深夜三時。


コンビニの蛍光灯が、半分死んでいた。


「あの、これ……お笑いの参考書、なんですけど」


レジに立つバイトの大学生は、目の前の老人を疑わしく見た。ぼろぼろの革ジャンに、無精髭。両手に抱えているのは、明らかにコンビニで売っているはずのない古びた書籍の山。


「参考書?」


「そう、参考書」老人は片目を細めて笑った。「でもまあ、参考書じゃないんだけどね」


「は?」


「笑いを極めたいんだろ?」老人は鋭い眼差しで青年を見据えた。「君の目を見れば分かる」


青年は無意識に一歩後ずさった。素人の漫才コンビを組んでいることなど、誰にも言っていないはずなのに。


「私が誰か分かるか?」


青年は首を横に振る。しかし、どこかで見たような。いや、テレビで……。


「かつて『笑いの神様』と呼ばれた男だ」老人は自嘲気味に笑った。「まあ、今は神様でもなんでもないがな」


コンビニの自動ドアが開く音。しかし、客の姿はない。


「で、どうする?本当の笑いを知りたいか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ