僕の中の怪物① プロローグ
この作品は、私小説に近い鬱系のお話になります。
苦手な方はご注意下さい。
-プロローグ-
これはある1人の人間と心の話である。
いつもここにいる。僕の中のドロドロの深緑色をした「アレ」が。
他の人には見えない形のない吐瀉物のような「アレ」。消えない「アレ」。拭えない「アレ」。
「アレ」は物でも物体でも生命でもない。
強いて言うなら感情、情緒に近い。でも意思がある。
それがずっと僕の隣に、いや、違う。中にあるにあるといった方が近い。
そう、中にいる。居座りついている。
でも「アレ」は僕じゃない。僕の中にいる怪物に過ぎない。
人は誰しも持っていると思う。でも意識はしない。
ただ、僕の「アレ」は少し大きくなりすぎてしまったみたいで、例えるなら口があり、手足が生えたような感じ。
僕はまるで見えない手足の生えた吐瀉物と歩いたり、過ごしているような感覚。
気持ち悪い。僕だって分かってる。感情的にものを言うならば「好きで一緒にいるわけじゃない。」
でもいつからかいた。気づいたらいた。僕が地に堕ちて、底辺になった時にはもういた。その時には居座り着いていた。
人間とは言い訳をしたがる生き物だ。
こうやって。